2023 Fiscal Year Research-status Report
Low-temperature chemical conversion of carbon dioxide introduced by reaction and separation field and electric reaction field
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22K12473
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
上宮 成之 岐阜大学, 工学部, 教授 (60221800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 学 岐阜大学, 工学部, 准教授 (60538180)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アンモニア / 水素 / 電場反応場 / メタン / ドライリホーミング / 膜反応器 / パラジウム |
Outline of Annual Research Achievements |
固定層流通式反応器でアンモニア分解(2NH3→N2+3H2)における触媒層での微弱電流の電場効果を昨年度に引き続き検討した。昨年度はRu/CeO2触媒を用いたときに、反応温度400 ℃において3 mA流すことでアンモニア転化率が12.7%から21.9%に向上したことを報告した。本年度新たに開発したRu/CeO2-ZrO2触媒では、同じ反応条件においてアンモニア転化率が25.0%から77.2%へとさらに向上した。 生成物の分離が可能な二重管型膜反応器において微弱電流を流してアンモニア分解を実施するに際し、固定層流通式反応器とは電極の位置および電極間距離が異なる。そのため、まずは膜反応器において導電性を有するパラジウム水素分離膜の代わりにステンレス管を用いて微弱電流の電場効果を同じ反応条件で検討した。その結果、アンモニア転化率が18.7%から43.4%まで向上するに留まった。 これと並行して、二重管型膜反応器を用いたアンモニア分解反応と二酸化炭素のメタン化反応の複合反応における、アンモニア分解触媒性能の反応器全体からみた反応結果に及ぼす影響を簡易的な一次元反応モデルを用いて検討した。その結果、アンモニア分解触媒性能の影響は大きく触媒性能の向上が求められており、微弱電流の電場効果による反応促進の重要性を計算からは実証できた。 またメタンドライリホーミングにおけるRu/CeO2触媒での微弱電流の電場効果を調べた結果、アンモニア分解のときほど大きな効果はみられなかったが、CH4転化率、CO2転化率ともに5%程度は向上した。しかし、膜反応器内に電極としてステンレス管を設置して微弱電流の電場効果を検討したところ、効果は小さくデータにばらつきがあり、さらなる微弱電流の電場効果がみられる触媒開発が必要であることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アンモニア分解における触媒層での微弱電流の電場効果を確認できたが、水素分離のない固定層反応器と膜反応器では触媒層における電極の位置および電極間距離が異なるため、新たに電極の位置および電極間距離の影響を調べる必要性が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
メタンドライリホーミングにおける微弱電流の電場効果を調べた結果、アンモニア分解ほど大きな効果はみられず、CH4転化率、CO2転化率ともに5%程度向上するに留まった。そこで最終年度は、アンモニア分解について集中的に検討し、微弱電流の電場効果を反応器内における電極の配置や電極間の距離について詳しく調べることにする。 研究開始当初は二重管型膜反応器を用いたアンモニア分解反応と二酸化炭素のメタン化反応の複合反応において、アンモニア分解反応場での微弱電流の電場効果を調べる計画であったが、計画を変更して二酸化炭素のメタン化反応との複合化は実施せず、二重管型膜反応器を用いたアンモニア分解反応での微弱電流の電場効果のみに焦点をあてて、電場効果をさまざまなパラメータを変えて検討することにする。
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