2023 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of food waste reduction interventions - Social experiment research with sorting analysis of household food waste
Project/Area Number |
22K12488
|
Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
渡辺 浩平 帝京大学, 文学部, 教授 (10256084)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 肇 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (10295636)
岡山 朋子 大正大学, 地域創生学部, 教授 (20418734)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 食品廃棄 / 食品ロス / 廃棄物組成調査 / 社会実験 / SDG12.3 / 東京都荒川区 / ナッジ / 環境配慮行動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は食品ロス削減を支援する介入の社会実験と効果測定を行なった。2021年度にナッジ策の研究会を主導した荒川区の協力を得ることができ、同区内の集合住宅を調査地区とした。数棟の集合住宅の管理組合ならびに自治会に説明と協力要請を行い、最終的に実験区(1棟189戸)と対照区(2棟214戸)を設定することができた。介入内容は前年度の検討を元に確定した。実験区全戸に冷蔵庫整理グッズ(スリムトレーとマスキングテープ)「ごめんねシール」と取り組みの説明書を配布した。「ごめんねシール」は食品を廃棄する際にそれを貼るということで食品廃棄を意識していただくという趣旨のものである。あわせて冷蔵庫内の写真撮影(在庫の把握、二重買いの防止)とスマートフォン上の在庫管理・レシピ提案アプリの使用を推奨した。実験区マンションの集会室で説明会を開催し、食品ロスの実態や削減の必要性、グッズの使用方法やその他食品ロス削減の方法を解説した。 実験区と対照区において、介入前と介入後に各々、マンションのごみ置場に排出された家庭ごみの組成調査と各戸を対象とした質問紙調査(配布:ポスティング、回収:郵送およびネット)を行なった。組成調査では実験区・対照区、介入前後で総量約2200kgのごみを分析した。質問紙調査では合計204の回答を得られた(回収率25%)。食品ロスの量を組成調査の結果を介入前後で比較すると、重量ベースでは実験区で10%減、対照区で10%増、厨芥に占める食品ロスの割合では実験区で15%減、対照区で5%増で、いずれの指標でも介入により20%程度の食品ロス削減効果があったことが示唆された。質問紙調査で明らかになった実験区での配布されたグッズの活用率は、スリムトレーが77%、マスキングテープが13%、ごめんねシールを貼るように心がけたのは18%であった。 並行して国内・国際学会において研究報告等を行なった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の主眼である、家庭における食品廃棄の削減に向けた介入の効果測定について、ほぼ研究計画通り進めることができた。荒川区内の集合住宅を社会実験の実験区・対照区としたが、実施においては集合住宅の管理組合ならびに自治会の合意を得る必要があり若干難航したが、実験区1棟、対照区2棟での実施を確保した。各々において、事前事後の廃棄物組成調査と質問紙調査を実施することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
食品ロス削減介入社会実験について、実験区と対照区において事前事後の、廃棄物組成調査結果と質問紙による意識・行動調査、計8セットのデータが得られている。大雑把には実験区において介入策の効果が確認できているが、2024年度においては食品廃棄物の細かい組成ごとの分析、組成調査と質問紙を紐づけた分析等、データの分析を進め、その結果を国内学会(廃棄物資源循環学会大会を想定中)、国際学会(IWWG-ARBを想定中)において研究発表する。また学術誌への論文投稿や一般市民向けの著作物の公開を行う。またこれらの結果から自治体、民間企業・団体、住民に向けた効果的な取り組みのありかたを考察し提言していく。
|
Causes of Carryover |
本研究グループの研究会が東京で行われることに加え、関連学会等が東京圏で開催されることが多いことを考慮して、旅費を十分確保できるように若干の額を翌年度使用に当てることとした。
|
Remarks |
岡山朋子、えどがわエコセンター、2023年、エコアクション講座「考えよう・減らそう食品ロスーSDGsと食品ロスー」 岡山朋子、栃木県総合文化センター、2023年、栃木県食品ロス削減に係る研修「家庭から排出される食品ロスの実態把握方法と削減・発生抑制方法」
|
-
-
-
-
-
-
-
-
[Book] Tools, best practices and recommendations to reduce consumer food waste - A compendium2023
Author(s)
Candeal, T., Br¨uggemann, N., Bruns, H., Casonato, C., Diercxsens, C., Garcia Herrero, L., Gil, J.M., Haglund, Y., Kaptan, G., Kasza, G., Mikkelsen, B.E., Obersteiner, G., Pires, I.M., Swannell, R., Vainioranta, J., Van Herpen, E., Vittuari, M., Watanabe, K. and Sala, S.
Total Pages
69
Publisher
Publications Office of the European Union (doi:10.2760/404597, JRC133004)
-