2022 Fiscal Year Research-status Report
ローカルフードシステム・レジリエンスの理論的枠組みの構築と実証研究
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22K12506
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
吉積 巳貴 立命館大学, 食マネジメント学部, 教授 (30423023)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ローカルフードシステム / レジリエンス / 防災 / 食料供給システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、自然災害や新型コロナウイルス感染症による行動制限などの非常時に対して、災害時に地域内で必要な食を確保できる、地域内食料供給システムの構築を目指すローカルフードシステム・レジリエンスの理論的枠組みの構築と実証研究を行うことを目的としている。 2022年度は、関連基礎情報の収集と分析として、災害時の食料供給システムに関する先行研究の収集と分析を行うとともに、国連食料システムサミットで集められた世界中のフードシステム・レジリエンスの取組み事例を活動内容、地理的条件、資金源などに基づいて分析し、ローカルフードシステム・レジリエンスの理論的枠組みの整理を行った。 また、調査対象地区である国内の和歌山県田辺市、愛媛県西条市の調査を行うとともに、ベトナム国のトゥアティエン=フエ省周辺とダナン市において調査を行い、過去の災害の発生状況、被災状況、災害対処行動、災害時と復旧過程での食料供給システムなどから対象地域の地域レジリエンス力を分析した。 国内調査においては、地域の地産地消の仕組みのツールとなる可能性のあるやさいバスの取組みについて特に調査し、滋賀県草津市で社会実験で実施されたやさいバスの取組みについて調査、分析を行った。調査結果については、環境情報科学センター主催の研究発表全国大会ポスター発表において「地域野菜の地産地消を実現するやさいバスの可能性:滋賀県草津野菜を事例に」の発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年度前半部分では新型コロナ感染症の影響があったため、地域への調査実施が難しい場面もあったが、新型コロナ感染症の問題も収まったことから、予定していた調査ができるようになり、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年の調査結果を基に、ローカルフードシステム・レジリエンスのガイドラインの素案を作成する。調査対象地である国内やベトナムの地域住民と連携し、ガイドラインの使用について検討する。
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Causes of Carryover |
2022年度に実施したベトナム調査の旅費は、他の研究費で執行することになった。2023年度に、ベトナムにおける調査を複数実施する必要が生じたため、調査旅費に使用する予定である。
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