2023 Fiscal Year Research-status Report
カナダの農村・遠隔地域における移民受入促進政策に関する研究
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22K12512
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
古地 順一郎 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (90734038)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 移民政策 / カナダ / 地方部 |
Outline of Annual Research Achievements |
2年目となる本年度は,新型コロナウイルス感染症の世界的まん延が落ち着いてきたことから,第1回目の現地調査を行った。また現地調査の報告を国内の移民関係の研究会で発表する機会を得た。具体的には以下の作業を実施した。 1 2023年9月,カナダ・マニトバ州のアルトナ町(Town of Altona)・ラインランド農村自治体(Municipality of Rhineland)ならびにブランドン市(City of Brandon)を訪問し,聞き取り調査を実施した。これらの自治体は地方・北部地域向け移民受入パイロットプログラム(Rural and Northern Immigration Pilot, RNIP)の対象自治体である。両自治体では13件のインタビューを実施し,今後の研究を進める上での有用な情報が得られた。また,州都ウィニペグ市(City of Winnipeg)において,移民定住サービス提供機関に対する聞き取り調査を行うとともに,ウィニペグ市役所移民政策担当者,ウィニペグ大学の移民政策研究者とも意見交換を行った。さらに,ブランドン市では,ブランドン大学地方開発研究所(Rural Development Institute)を拠点に調査を進めることができ,同大学所属の研究者たちとも知己を得るとともに,今後の共同研究に向けた可能性を模索することもできた。 2 2023年12月,大谷大学(京都市)で開催された「移住と共生」研究会において9月の調査報告に関する発表を行った。この研究会では,ウィニペグ大学の移民政策研究者の講演もあり,研究に有用な情報も得ることができた。同研究者と共同研究に向けての打ち合わせも実施した。 3 昨年度に引き続き,カナダの地方部における移民政策に関する情報を,一次資料(政府文書)および二次資料(学術論文・報告書・新聞記事)を通じて収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1回目の現地調査を実施することで,文献調査でわからなかった情報収集ができたため。また,今後の研究の発展に向けて新たなコンタクト先を開拓できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は昨年度訪問した地域を再訪問し,さらなる情報収集を行う予定。予算が許せば,別の地域にも足を運んで調査できればと考えている。
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Causes of Carryover |
リサーチアシスタントの雇用がなかったことによる余剰金が生じている。インフレならびに円安により,交通費・宿泊費が高騰しているため,現地調査の旅費に使用する予定である。
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