2022 Fiscal Year Research-status Report
冷戦期アメリカのキューバ・インドシナ難民受け入れと「サバイバル英語」の確立
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22K12520
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Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
佐原 彩子 共立女子大学, 国際学部, 准教授 (70708528)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | アメリカ社会 / 難民 / 英語教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
海外での史料調査および収集が新型コロナウイルスの影響で困難な状況であったため、すでに入手している難民定住にかかわる史料の読解と二次文献の読解を進めた。それにより、成人難民の再定住にとって受け入れ先における職業的・経済的適応は不可欠であると考えられていることがわかった。難民は多くの移民とは異なり、経済的な向上などのための自発的移動ではなく、内戦などの暴力的な状況から逃れるために故郷を離れている。しかし、ベトナム戦争後の難民受け入れと同時期に起こった書類不備移民の増加は、1980年代にアメリカ合衆国(以下アメリカ)社会での英語公用語化運動を引き起こし、受け入れ社会において受け入れられる側に英語を話すことを求める状況を加速させてきたことも資料調査からわかった。こうした動きは、受け入れの過程において、難民たちに早急に英語習得を求め、教育支援を減らそうとする政策を進めることになってきた。 そのため1980年代以降、アメリカ社会での適応過程において難民となった人びとにとって不可欠なものとして、コンピテンシー(行為能力)が問われる英語運用が強調されてきた。コンピテンシーとはたとえば、あるタスクの実行を成功するために実証された能力のことを意味し、言語を伴う生活上のスキルが必要とされるタスクを遂行できる能力を意味する。これらのことを踏まえて、どのようなコンピテンシーが具体的に必要とされてきたのか、そしてその運用過程についてさらなる研究を進めていく。 こうした研究をふまえ、学会活動では、日本アメリカ学会年次大会(6月4-5日開催)の2日目の部会Aにおいて、「難民収容の起源:移民政策と難民政策の交錯点」というタイトルで研究報告を行った。日本アメリカ史学会年次大会(9月17-18日開催)の2日目のシンポジウムC「アメリカの『対テロ戦争』とは何だったか」でコメンテーターを務めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画したような資料分析および調査研究するための時間を確保することが難しかった。
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Strategy for Future Research Activity |
夏か春には研究調査を実施したうえで、研究課題遂行のための研究時間を確保できるようにしたい。
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Causes of Carryover |
海外での史料調査および収集が校務および新型コロナウイルスの影響で困難な状況であったため。2023年度は海外での史料(資料)収集・調査を予定している。
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Research Products
(3 results)