2022 Fiscal Year Research-status Report
北東アジアにおける国境を跨ぐ地域共同開発に関する研究
Project/Area Number |
22K12525
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安田 知絵 日本大学, 生産工学部, 講師 (70719707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前野 高章 日本大学, 通信教育部, 准教授 (00590605)
高橋 文行 日本経済大学, 経営学部(渋谷キャンパス), 教授 (10647689)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 広域図們江地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,中国東北地域の国境付近における経済開発に焦点をあて,関連諸国との経済関係の変化および国境地域で行われている経済活動を,一連の実証分析により明らかにし,協力関係構築の可能性を論じることを目的としている。 本年度は、韓国での国際ワークショップの開催,特別講演を通じて当該地域の専門家との研究交流を行った。現地の専門家との研究交流からは当該地域を巡っての韓国の立場,そして制約要因として地政学リスクが最も懸念されていることを確認した。また,北東アジアにおける協力関係の構築可能性について議論することができ,今後の継続的な研究交流で議論を深めていくこととなった。 研究成果として,日本貿易学会,亜東経済国際学学会,国際情報学会,International Joint Workshop,にて当該研究と関連して研究発表・論文投稿を行った。査読付き論文2本,大会発表2件,国際ワークショップでの研究報告2件,特別講演1件。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
R4年度に実施予定だった内容は主に3点あり,それぞれの進捗状況は次の通りである。 1点目の「地域別・産業別貿易・投資データを取得,統計分析を行う」と関連して,データ取得は完了し,今現在は統計分析の段階にあり,R5年度の学会で研究報告する予定である。 2点目の「中国,韓国の研究協力機関と情報交換,研究討議,企業へのアンケート調査を実施する」と関連して,中国への現地調査は中国政府による「ゼロコロナ」政策により断念したが,韓国の研究機関と情報交換,研究討議を行うことができた。なお,アンケート調査に関しては準備段階にあり,次年度に実施する予定である。 3点目の「学会や国際貿易,経済協力会議へ参加し,研究交流および企業へのインタビュー調査を行う」と関連して,本来予定されていた韓国での「第10回GTI国際貿易・投資博覧会」には,COVID-19の再拡散とGTI加盟国のうち,中国とモンゴルの不参加により,中止となった。一方で,学会や国際ワークショップを通じた研究交流を行うことはできた。また,中国進出の韓国財閥企業の協力会社へのインタビュー調査を通じて,海外投資の目的変化等を確認することができた。 以上のことから,中国国境地域への現地調査を除けば概ね順調に進展しているものと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策として,主に次の五つの項目について実施する。 1)当該研究課題の実現に向けて引き続き定期的に研究打ち合わせを行う。 2)R4年度に取得した産業別・地域別貿易データを用いて,北東アジアにおける相互依存関係の変化および国際分業構造を解明する。 3)国際学会(韓国8月を予定)やGTI関連博覧会,経済協力会議へ参加し,研究交流及び企業へのインタビュー調査を実施する予定。 4)外部環境次第にはなるが,R5年度は中国,韓国への現地調査を行う予定。 5)その他で,当該地域との比較研究としてメコン地域(東南アジア)での研究交流も検討中である。
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Causes of Carryover |
中国への現地調査が,中国政府による「ゼロコロナ」政策により実現不可能であったのが一つの要因である。また,R4年度10月の韓国への出張費用は本学の研究費を使用した。 R5年度は,外部環境次第で中国への現地調査,そして韓国での国際学会,「GTI国際貿易・投資博覧会」に参加する予定であるため,外国旅費としての出費が予想される。 その他で,当該地域との比較研究としてメコン地域(東南アジア)での研究交流も検討中である。
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