2022 Fiscal Year Research-status Report
Gender Issues in Elderly Care in Russia:Focused in Relation to the Former Soviet Countries
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22K12555
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
五十嵐 徳子 天理大学, 国際学部, 教授 (80294156)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ロシア / 高齢者ケア / 旧ソ連 / 移民 / ケア労働者 / 中央アジア / ウズベキスタン / タジキスタン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、ロシアの高齢者ケアにみるジェンダー問題を旧ソ連諸国との関係を中心にして明らかにするものである。具体的には、ロシア・旧ソ連の統計データおよび文献資料とミクロヒストリー調査に基づき(1)ロシアの高齢化の現状把握、(2)ロシア政府による高齢化対策の明確化、 (3) ロシアの高齢化に対する個人の対応の把握、4)ロシアの高齢化における国際労働移動の検討、(5)ケア労働者送り出し国のジェンダー状況の分析、を行う。 2022年度は、ロシアの高齢化の現状把握に関して、これに関連する統計データおよび先行研究となりうる文献資料の渉猟によりデータベースの作成を開始した。また、ロシア政府による高齢化対策の明確化(2015年の法律改定後を中心に)に関して、文献資料の収集を始めると同時に2023年3月には現地での聞き取り調査を開始した。また、 ケア労働者送り出し国のジェンダー状況の分析では、2023年2月にウズベキスタンで聞き取り調査を行った。まだサンプル数は少ないものの本研究課題にとって非常に重要な聞き取り調査を実施することができた。 2022年度の調査からロシアにおける高齢者ケアは家族によるケアが中心であり、公的なケアを利用する人もいるが、その規模は限定的である。しかしながらロシアでも高齢化が進行しておりケアを必要とする高齢者も増加している。家族ケアを基本として、公的な家事支援者と寝たきりの高齢者の世話をするシジェルカを多くの場合私的に雇用する事によって高齢者ケアシステムが成り立っている。シジェルカと呼ばれる家政婦の多くが中央アジアからの移民であるという現状も見られる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在ロシアでの現地調査の実施が困難を伴うために十分な現地調査を実施することができず当初の予定より研究はやや遅れている。送り出し国のウズベキスタン、キルギスタン、キルギスでの聞き取り調査は予定通りである。今後遠隔調査などが可能であるのかについても検討するが、やはり直接行う調査と比べてズームなどの聞き取り調査は旧ソ連の地域研究では成約があり難しいと感じている。したがって、できるだけ現地での調査を実施できるように努力する所存である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は当初の予定通り、(1)ロシアの高齢化の現状把握に関して、これに関連する統計データおよび先行研究となりうる文献資料の渉猟によりデータベースを作成する。(2)ロシア政府による高齢化対策の明確化(2015年の法律改定後を中心に)に関して、文献資料および現地での聞き取り調査により明らかにする。 (3) ロシアの高齢化に関する個人の対応の把握に対しては、現地での聞き取り調査を行い、テキスト化したものを分析する。またデータベースを作成する。(4)ロシアの高齢化における国際労働移動の検討では、統計資料および文献資料によりその状況を明らかにするのと同時に、現地での聞き取り調査を実施する。その後データベースを作成する。そして、(5)ケア労働者送り出し国のジェンダー状況の分析では、統計資料および文献資料によりその状況を明らかにするのと同時に、現地での聞き取り調査を実施し、データベースを作成する。(1)ー(5)を進め、ロシアの高齢者ケアにみるジェンダー問題を旧ソ連諸国との関係において明らかにする。
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Research Products
(1 results)