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2023 Fiscal Year Research-status Report

野生復帰をめぐる自治体間ネットワーク構築を企図した政策連携に関する実態把握

Research Project

Project/Area Number 22K12578
Research InstitutionTaisho University

Principal Investigator

本田 裕子  大正大学, 社会共生学部, 教授 (00583816)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywordsコウノトリ / 野生復帰 / 野外繁殖 / 自治体連携 / アンケート調査
Outline of Annual Research Achievements

コウノトリの野生復帰の事例において、野外繁殖に成功した(実績のある)自治体についての(1)情報整理、(2)訪問・インタビュー調査および(3)アンケート調査を実施した。野外繁殖に成功した(実績のある)自治体は、2023年の繁殖シーズンまでの25自治体を対象とした。
(1)では、インターネット上で対象自治体のHPから、コウノトリおよび野外繁殖していることを発信しているかについて整理した。約半数が自治体サイト内でコウノトリに関するページを設けて発信していることがわかった。自治体が発信する情報では、コウノトリの繁殖を知らせるとともに、その観察のルールやケガ・死亡時の問い合わせ先といった内容が主であり、野生復帰の拠点施設である兵庫県立コウノトリの郷公園が発信している情報を参考にしていることが窺える。
(2)では、鳥取県内の自治体(現地訪問は八頭町、北栄町、繁殖実績はないがIPPM-OWSに加盟している南部町も含めた)、広島県世羅町、佐賀県白石町を訪問し、担当職員へのインタビュー調査を行うことができた。自治体として野外繁殖にどのような対応をしているのか、また課題についても把握することができた。例えば、カメラマンや見学客の中にはマナーを守らない人たちがいることへの懸念が住民にはあり、コウノトリが人家近くの電柱等で繁殖しているという状況もあるので、地域社会の中で野外繁殖がどのように受容されているのか、現状と課題を整理することができた。
(3)では、25自治体すべてから回答を得ることができた。繁殖に関する自治体の対応として課題はあるかという質問に25自治体中24自治体が「ある」と回答した。自治体が費用面や人材面で課題としていることを少しでも改善していくことが、コウノトリの国内での安定的な生息・繁殖に必要といえる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

野外繁殖に成功した、実績のある自治体へのアンケート調査を実施、対象とした25自治体すべてから回答を得ることができた。今後はこのアンケート調査の結果をもとに、現地調査を進めていき、野生復帰をめぐる社会的ネットワークの構築についての考察を深めていきたい。

Strategy for Future Research Activity

25自治体を対象にしたアンケート調査で得られた知見はさまざまであり、実際に繁殖に関して行っている対応、課題、また、地域づくりや環境、教育面でコウノトリを地域資源として活用している状況、そして自治体連携についての考えについて、現状を把握できた。得られた知見をもとに、今後は現地調査で訪問していない自治体、特に、2024年の繁殖シーズンで新たに繁殖に成功した自治体へのインタビュー調査に取り組んでいきたい。
そして、自治体連携を含めた社会的ネットワークの構築は今後コウノトリの国内での安定的な生息に向けて必須といえるので、先進的な取り組み事例への訪問やインタビュー調査にも取り組んでいき、最終的な考察を行っていきたい。

Causes of Carryover

現地調査について、スケジュールの調整上実施できなかった自治体が複数あり、次年度で実施することになったため。現地調査の旅費および必要に応じてアンケート調査の実施も行いたい。

  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) (of which Open Access: 1 results) Presentation (3 results) (of which Invited: 2 results)

  • [Journal Article] コウノトリの野外繁殖がなされている自治体の情報発信について2024

    • Author(s)
      本田裕子
    • Journal Title

      大正大学公共政策学会年報

      Volume: 4 Pages: 43~61

    • Open Access
  • [Presentation] コウノトリの野外放鳥における市民の役割2023

    • Author(s)
      本田裕子
    • Organizer
      見学会&セミナー「コウノトリのことをもっと知ろう!」(主催:NPO法人いろいろ生きものネット埼玉・NPO法人鴻巣こうのとりを育む会・埼玉県生物多様性センター)
    • Invited
  • [Presentation] コウノトリの放鳥を通じた市民の意識について~関東3自治体での アンケート調査から~2023

    • Author(s)
      本田裕子
    • Organizer
      関東エコロジカル・ネットワーク10周年シンポジウム「関東の空にコウノトリとトキが舞う 環境と治水の好循環 10年のあゆみとこれから」(主催:関東エコロジカル・ネットワーク推進協議会)
    • Invited
  • [Presentation] コウノトリの保全事業をめぐる千葉県野田市・埼玉県鴻巣市・栃木県小山市の住民意識について2023

    • Author(s)
      本田裕子・高橋正弘
    • Organizer
      「野生生物と社会」学会

URL: 

Published: 2024-12-25  

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