2023 Fiscal Year Research-status Report
世界遺産の社会的存立構造-カトリック・コミュニティの変容との関わりを中心に
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22K12593
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Research Institution | Shimonoseki City University |
Principal Investigator |
加来 和典 下関市立大学, 経済学部, 准教授 (80214261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
叶堂 隆三 下関市立大学, 経済学部, 教授 (50224580) [Withdrawn]
小幡 正敏 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (00386393)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | カトリック / 世界遺産 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は世界遺産の社会的存立構造を解明しようとするものである。研究対象は、2018年に登録された世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(以下、潜伏キリシタン遺産)である。主たる研究課題は次の2点である。問い1.社会にとって、世界遺産とは何か。問い2.長崎カトリックの現状は、今後の当該世界遺産のあり方にどう影響するのか。 問い1については、「世界遺産をめぐる複数のアクターによる意味づけと相互作用の研究」と言い換えることができる。長崎・天草の教会群は、直接に関わる 三つの立場(行政・企業・教会)からそれぞれ異なった意味づけをされていると想定される。2023年度の計画では、これらの機関へ聞き取り調査を行い、この仮説を明らかにするとしていた。また、その調査をもとに調査票の作成を行うこととしていた。しかしながら、新型コロナの影響もあり、聞き取り調査を実施するに至らなかった。 問い2については、「世界遺産を支えるのは誰か」と言い換えることができる。長崎県は、歴史的にも信徒の数から見ても日本一の「カトリック県」である。しかしながら、近年は衰退的傾向が進んでおり、カトリック信徒の集落維持には懸念が生じている。建築物としての教会と宗教コミュニティとしての小教区は一体のものであり、このような現実は世界遺産登録の継続にも関わるものである。2023年度の計画では、小教区の実情を、とりわけ人口減少地区において調査する予定であった。しかしながら、新型コロナの影響もあり聞き取り調査を実施できなかった。 なお、研究打ち合わせでは、研究分担者ではない研究者も交えて意見交換を行い、2024年度の調査計画を練り直した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
調査票調査設計のための聞き取り調査が、新型コロナ感染拡大のために実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
1年度ずれ込む形になるが、今年度に聞き取り調査を進める。今秋ぐらいの調査票調査の実施を検討する。
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Causes of Carryover |
2023年度は、新型コロナの影響もあり、聞き取り調査が実施できていない。また、聞き取り調査をもとに調査票調査を実施する計画であったが、未実施となっている。ずれこんでいるが、いずれも、2024年度に実施する。
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