2023 Fiscal Year Research-status Report
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22K12635
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Research Institution | Setouchi Vocational college of tourism |
Principal Investigator |
平 侑子 せとうち観光専門職短期大学, 観光振興学科, 講師 (00866882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安村 克己 せとうち観光専門職短期大学, 観光振興学科, 教授 (00230243)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 感情労働 / 観光業 / 専門職 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「感情労働」概念を観光業における対人サービス分野への適用に向けて問い直すものである。そのために、(1)感情労働を価値中立的な概念へと再構成すること、(2)同概念を観光業を中心とした対人サービス労働へと適用させることを研究の目的としている。2023年度は、本概念の観光業への適用を目指すにあたり、「感情労働」概念の提唱者であるA.ホックシールドが述べる感情労働従事者の職業条件の問い直しを行った。 具体的には、感情労働従事者の感情の「支配」(control)は雇用者によってのみ行われることであるのかという点の再検討である。この点に関しては、先行研究でCas Woutersらによってすでに疑問は呈されているものの、具体的な議論はされてこなかった。本研究は主に観光業に焦点を当てているが、前線で観光客と接点を持つ観光業従事者は必ずしも被雇用者、すなわち上司によって感情労働を監督される立場ばかりであるとはいえず、またそのような立場の違いによって感情労働の有無や、感情を用いた労働内容に違いが生じているのかも明らかになっていない。上記の研究目的(2)「観光業を中心とした対人サービス労働へ適用させること」を達成させるにあたり、感情労働従事者の職業条件に関する再検討が新たな研究課題として見いだされたため、2023年度は、労働社会学および職業社会学の観点から、被雇用者に限らず、ホワイトカラーや専門職業者の労働における感情労働の可能性について考察をはじめている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
観光業に焦点を当てた感情労働に関する海外文献の収集、および産業・労働社会学に関する資料収集を進めている。しかし、2023年度後半より研究代表者の妊娠に伴う体調不良が続いたことから論文執筆等、考察のまとめは十分に達成できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度からは、感情労働従事者の職業条件の整理や再検討をすすめ、考察の成果をまとめる予定である。また、従来の研究目的の一つである「ホストとゲスト間における感情労働を介した相互作用」の実態を探るため、調査を実施したい。
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Causes of Carryover |
次年度以降に使用が生じている理由は以下の2点である。1つめは、感情労働研究における職業条件についての再検討を行うために、さらなる文献収集の必要性が生じているためである。職業の観点から感情労働の概念に関する批判的検討を行っている先行研究の収集・整理を行うと共に、観光業従事者の働き方に関する資料も収集する。2つめは、観光業におけるホスト-ゲスト間のやりとりに関する調査を実施するためである。2024年度は、本調査に先んじて、観光業従事者へのインタビューを実施するための予備的調査を実施したい。
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