2023 Fiscal Year Research-status Report
身体をめぐるイスラームの規範とジェンダー:前近代の思想と法の比較研究
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22K12638
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小野 仁美 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (20812324)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | イスラーム法 / イスラーム医学 / 性差 / 生殖 / 性的マイノリティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、前近代のイスラームの思想において、性差についての身体の特徴がどのように記述され、それらがどのようなジェンダー規範を構築していたのかを明らかにすることを目的とするものである。資料として、10世紀前後に古代ギリシア思想の影響を受けてイスラーム圏で書かれた医学書や倫理学書と、クルアーンおよび預言者ムハンマドの伝承をもとに形成されたイスラーム法の古典法学書を使用し、それらの比較検討を行う。2年目の令和5年度は、資料収集とそれら一部の検討を主に行い、12月には予備調査の結果を「イスラーム法における男女間の身体的な性差をめぐる記述」として「ジェンダー史学会第19回年次大会(2022年12月11日立教大学)」にて報告した。2023年2月には、スペインより研究者を招聘し、研究会および意見交換を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度収集した資料および学会での成果報告後の議論の深化を踏まえ、今年度は資料のさらなる検討を行った成果を11月に報告した。当初の予定はほぼ達成できた。それに加えて、3月にはチュニジアおよびトルコへの出張を行い、追加資料の発掘に努めた。今後は今年度新たに入手する資料をもとに、研究を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、これまで2回にわたり行った学会報告をもとに論文として仕上げ、学会誌に投稿する予定である。さらに、イランでの追加資料の収集および研究者との意見交換を行いたい。
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