2023 Fiscal Year Research-status Report
Impact of Minority Stress on HIV-Positive Individuals' Will to Treat and Proposed Support Measures for them
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22K12645
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
飯田 昌子 鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 准教授 (70363603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長浦 由紀 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (60791879)
関口 愛 大分大学, 医学部, 教務職員 (30433056)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | HIV陽性者 / マイノリティストレス / 治療抑制 |
Outline of Annual Research Achievements |
HIVカウンセラーを対象に感染前のマイノリティストレスがHIV陽性者の治療意欲に及ぼす影響について検討した。 対象はHIVカウンセラー10名。1回60分,オンライン形式で半構造化面接を調査を行い,KJ法を落ちいて分析した。 セクシュアルマイノリティであるがゆえに,対人関係における被害体験から信頼できる人に出会いにくいという状況にあることや,親から大切にされなかったなどの親子関係における傷つき体験により,自分を大切に思ってくれる人はいないという疎外感を含めた,セクシュアルマイノリティであるがゆえの傷つき体験というカテゴリーが得られた。このような体験は「そのままの自分でよい」と認められた体験の積み重ねを得ることができないというカテゴリーにつながり,次第に「人と安心して繋がれない」,「人と繋がりたいけれど繋がれない」という対人関係における安全感のなさの蓄積というカテゴリーに繋がっていくと考えられた。対人関係における安全感のなさの蓄積は,自分のことを誰にも言えない状態になることや,自ら人間関係を断ち切ってしまう孤独感というカテゴリーにつながっていると考えられた。このようなプロセスにより,感染前にすでに生きる意欲が乏しい状態になっていることが推測された。 感染後の治療意欲向上のためには,人との繋がりを安心して体験できる場が必要であることと,HIVカウンセリングでは「HIV陽性者と共に考える継続した関係性の構築」が重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査協力者を募るのに必要な作業に想定以上の時間を要したこと,言語データの分析にも当初想定していた以上の作業と検証に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年~2023年度に得られた言語データにさらなる分析を加えることと,陽性者への面接調査と言語データの分析を進める。
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Causes of Carryover |
2022年度から続く新型コロナウイルス感染症対策により,学会及び打ち合わせ等の旅費を算出しなかったため,次年度は現地開催が予定されている学会及び本研究の進捗状況確認のための打ち合わせ等にかかる費用と,論文投稿にかかる費用を支出する予定である。
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