2023 Fiscal Year Research-status Report
Structural studies around light elements by soft x-ray fluorescence holography
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22K12662
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
細川 伸也 熊本大学, 産業ナノマテリアル研究所, 特任教授 (30183601)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ホログラフィー / 軽元素 / ワイドギャップ半導体 / 原子配列 |
Outline of Annual Research Achievements |
材料に軽元素を含むとき、その構造研究の最も大きな課題は、軽元素のまわりの局所原子配列をX線回折やX線吸収微細構造などの一般的な手法で求めることができないことである。中性子回折を適用できることもあるが、可能な元素がかなり制限される。申請者はこの問題を解決するために、蛍光軟X線を用いたホログラフィー法による測定を提案した。この方法は硬X線を直接入射する標準波と、一旦近接原子の散乱をする物体波が、硬X線の方向と結晶の方位との関係で干渉を起こすため、軽元素から放出される蛍光軟X線の強度が変調を起こすことを利用する。本研究では、アンジュレータ放射光から出る高強度の硬X線をヘリウムガス雰囲気の容器に導き、真空中で結晶を入射角、変位角の2つの角度で変化させ、放出される蛍光軟X線を敏感でエネルギー分析ができるシリコン・ドリフト検出器を用いて測定する。測定した蛍光軟X線の角度変化(ホログラム)は最新のスパース・モデリングを用いて解析を行い、軽元素のまわりの局所原子配列を導出する。これまでに測定装置の開発を完了し、これからの測定に対象とする試料は、シリコンカーバイド・ワイドギャップ半導体やコバルトーニッケルーアルミニウム準結晶を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以前に挑戦的研究(萌芽)の助成を受けて準備した測定装置を大型放射光施設SPring-8に持ち込み、シリコンやアルミニウムなどの軽元素から蛍光軟X線を検出した。また角度変化など装置が、測定プログラムで順調に稼働することを確認した。しかしながら、蛍光軟X線の強度が想定したより極めて弱いことがわかり、目標とするホログラムの構築ができなかった。そのため、試料と検出器の間隔を7分の1以下とする測定装置の改造を行った。令和6年度には5月末にビームタイムの配分を受けているにので、測定を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
重元素を含む結晶試料については、これまで行ってきたように空気中での重元素の蛍光X線ホログラフィー測定から結晶方位を決定できる。例えば、コバルトーニッケルーアルミニウム準結晶については、コバルトかニッケルの蛍光X線ホログラフィーによって方位を決定し、その後装置全体をヘリウムガス雰囲気にすることにより、アルミニウムの蛍光軟X線ホログラフィーを測定する。シリコンカーバイドのように重元素を含まないときは、2次元検出器を用いたX線回折実験を事前に空気中で行って結晶方位を決定し、その後ヘリウムガス雰囲気中でアルミニウムや炭素の蛍光軟X線ホログラフィーを測定する。
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Causes of Carryover |
予定したような研究発表が十分にできる国際会議がなかったので、改めて次年度に研究成果を国際会議で発表したい。
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Research Products
(20 results)