2023 Fiscal Year Research-status Report
Development and evaluation of neutron spectrometers to measure the BNCT neutron beams
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22K12667
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
増田 明彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (70549899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 賢一 九州大学, 工学研究院, 教授 (30324461)
熊田 博明 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30354913)
田中 浩基 京都大学, 複合原子力科学研究所, 教授 (70391274)
真鍋 征也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究員 (40910005)
原野 英樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (60302775)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 中性子 / ホウ素中性子捕捉療法 / BNCT / シンチレーター / スペクトロメーター / 中性子スペクトル / 線量 / 中性子サーベイメーター |
Outline of Annual Research Achievements |
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)で見られるような大強度中性子のエネルギー分布を実験的に評価するために、微小リチウムガラスシンチレーターを用いた改良型ボナー球スペクトロメーター(微小リチウムガラスBSS)を製作し、産業技術総合研究所の中性子実験施設においてその特性評価実験を継続して実施した。京都大学複合原子力科学研究所の研究用原子炉KURの医療用熱外中性子照射設備において、大強度中性子ビームの測定実験を行った。治療レベルの大強度中性子に対する高計数率測定で重要なパルス信号処理パラメータを改善し、測定システムを確立した。スペクトル導出に必要な応答関数をモンテカルロ計算によって評価したが、その計算制度を向上させるために、シンチレーター周辺の構造を詳細に理解するべく、既に実装された検出器のCT撮像に取り組んだ。また、本研究で開発しているボナー球検出器は従来のものに比べて検出素子が小型化したため、実効的な減速材厚さが増し、BSS全体のエネルギー特性が変化した。これに対応すべく、応答関数を調整した追加のボナー球検出器の製作を開始した。 BSS完成後には治療施設内での任意の箇所において中性子サーベイメーターによる「簡易的」な中性子線量測定の結果をBSSによる測定で検証できるようになると期待されており、昨年度に筑波大学のBNCT施設において中性子サーベイメーターによる調査測定を実施していた。今年度はその測定結果を検証し、来年度、既述のBSS完成後に比較測定を実施する準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
微小リチウムガラスBSSの製作・信号確認・実地試験が順調に進行している。昨年度の課題であった信号処理の最適化にも成功し、BNCT施設での測定にも成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
微小リチウムガラスBSSについては、検出素子周辺のCT観察結果を反映し、応答関数計算の精度を向上させる。また、検出素子の小型化に対応してBSS全体としての応答特性を改善するための追加ボナー球検出器を製作する。これらを用いて治療施設実地での再測定を行う。さらに、その結果を用いてBNCT用に改造した中性子サーベイメーターによる簡易的な中性子線量測定の結果を検証し、本研究の成果が線量評価や線量測定器の製品開発に役立つことを実証したい。
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Causes of Carryover |
測定の結果を踏まえて、モンテカルロ計算による応答関数を行った後に追加の検出器を設計・製作することが主な理由となり、次年度使用額が生じた。次年度の当該検出器の製作等に充てる予定である。
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