2023 Fiscal Year Research-status Report
Design-Based Learningを基盤とした創造的発想法モデルの開発
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22K12684
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Research Institution | Nagaoka Institute of Design |
Principal Investigator |
板垣 順平 長岡造形大学, 造形研究科, 准教授 (30557228)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々 牧雄 関東学院大学, 人間共生学部, 教授 (70783380)
中本 和宏 千葉工業大学, 先進工学部, 准教授 (90581158)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 創造的発想法 / Design Based Learning / デザイン思考 / 人間中心デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は,DBLを基盤とした創造的発想法にかかるワークショップを企業活動の一環として21回,教育活動の一環として35回,さらには一般市民向けのオンラインワークショップを16回の計56回実施した。 まず,企業活動においては,これまでに筆者らが企画・検討・実施してきたデザイン思考や創造的発想法にかかるワークショップや研修のプログラムの実施内容をもとに,DBLの学修サイクルを反映させた新たなプログラムとし構築し,それらを企業や自治体等の研修にて導入するとともに,研修の実施内容やDBLの効果測定を行った。 次に,教育活動においては,企業活動と同様にDBLの学修サイクルを反映させた新たなプログラムを長岡市内の小学校や子ども向けの単発プログラム,大学の初年次教育プログラム,さらには広島県内の高等学校において,探求の学習の一環としてプロジェクトメイキングの手法として当該研究で複数回実施したプログラムを導入し,その実装可能性についても検証した。 これらの研修やワークショップ等で得られた結果や参加者らに対して実施した実施アンケートの結果から,適宜プログラムの改善点の見直しをはかるとともに,企業活動と教育活動の両方で展開可能な実施内容をワークシートに反映させることができた。とりわけ,これら二つの活動における学習効果や社会実装に向けた分析の結果を日本デザイン学会第70回春季研究発表大会にて口頭発表を行うとともに,大学での初年次教育プログラムへの導入にかかる検証結果は日本デザイン学会の論文集「デザイン学研究」において査読付き論文として執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該研究においては「研究実績」の項で述べたように,研究計画の策定時に想定していた研修やワークショップの実施回数を上回る回数を実施することができた。特に,広島県内の高等学校における教育活動へのDBLの導入・試行は,これまでに筆者らが想定していた企業活動における社会人と教育活動における大学生や小学校といった学生のそれぞれの属性に対する効果検証を行おうとする際に,高校生という新しい属性対象に向けてもプログラムを導入する機会を得たことやその効果を検証することができた。また,当該研究では,当初,企業活動や教育活動において既存の研修やワークショップ等にDBLの学修サイクルを導入したプログラムの効果検証を行うことを研究方法としていたが,長岡市内の企業との共同研究においてB to C商材の開発を行う際のデザインプロセスとして導入することができたほか,筆者が実施する開発途上国での観光商品開発の場面においても,同様に検証する機会を得た。これらのデザインプロセスへの導入と検証が図れたことは,当該研究の成果が机上の空論にとどまらず,社会実装までを目指すことが想定される。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は当該研究の最終年度となる。本年度は,これまでに実施・検証してきた研修やワークショップ,実証実験として実施した商品開発の共同研究などで得られた情報をもとに,投稿論文や成果物など,アウトプットのまとめを実施する。具体的には,日本デザイン学会での口頭発表や外部の講演等において,これまでの研究成果を広く公開し社会実装に繋げるための示唆を得る。また,並行して査読付き論文の執筆及びツールキットの作成を行いながら,当該研究期間が終了するまでにこれらの成果物やアウトプットの公開を目指す。
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Causes of Carryover |
2023年度は実証実験としてのワークショップや研修にかかる消耗品や必要部物品等の購入にかかる経費が多くかからなかったほか,研究計画よりも多くの研修やワークショップの実施,社会実装に向けた共同研究等を実施することとなっため,論文投稿費やアウトプットの制作も途中段階となっているため,全体の予算も多くはかからなかったためである。
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