2023 Fiscal Year Research-status Report
Research and Development of an "Active Art" Program to Improve Frailty in the Elderly
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22K12686
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Research Institution | Meisei University |
Principal Investigator |
吉岡 聖美 明星大学, デザイン学部, 教授 (80620682)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | フレイル / リハビリテーション / 高齢者 / 嚥下機能 / 認知機能 / 心理的効果 / アプリケーション / 顔ジャンケン |
Outline of Annual Research Achievements |
「アクティブアート」プログラムの研究として、嚥下訓練と口腔顔面運動による後出し顔ジャンケンとを融合することで、嚥下機能と認知機能の維持向上のリハビリテーションとなる「顔ジャンケン」プログラムを考案した。2023年度は、「顔ジャンケン」プログラムに気分が改善する心理的効果を付加するために、「グー・チョキ・パー」の表情設定が異なる複数のプログラムを制作し、各プログラムを実施する前後における心理評価を調査した。 実験では、各プログラムで設定した顔イラスト画像をPC画面にランダムに提示し、利用者は提示された顔イラスト画像に対して口腔顔面運動による後出し顔ジャンケンを実行した。その結果、認知機能の維持向上を目的とする取り組みの実践例で使用されている「チョキ」の表情で舌を出すプログラムでは、プログラムの前後でPOMS短縮版による「抑うつ-落ち込み」およびTDMS-STによる「覚醒度」の気分に関わる有意な改善が認められず、「チョキ」の表情で口を左右に伸ばし口角を上げて笑った顔になる表情設定が有効であることを確認した。笑った顔のイラストを見る、自身が笑った顔になる、というデザイン要素を取り入れたプログラムの心理的効果が示されたと考えることができる。 本研究結果に基づいて、嚥下機能と認知機能の維持向上のためのリハビリテーションに加えて、気分が改善する心理的効果を付加した「顔ジャンケン」プログラムの表情設定を確定した。また、地域包括ケアにおける支援プログラムの現状調査では、新たに協力を得たデイケア施設(岐阜県可児市)において情報収集を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
嚥下機能と認知機能の維持向上のリハビリテーションに加えて、気分が改善する心理的効果を付加した「顔ジャンケン」プログラムを開発するための基礎研究に取り組んだ。PC画面に提示する顔イラストの表情設定が異なる複数のプログラムを制作し、各プログラムを実施する前後における心理評価を調査した結果、「チョキ」の表情で口を左右に伸ばし口角を上げて笑った顔になるプログラムデザインが有効であることを確認し、「顔ジャンケン」プログラムの表情設定を確定した。また、2024年度に予定している実践・評価に関して、協力施設との研究計画の打ち合わせを行なった。プログラム開発に関わる研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、下記の研究計画を推進する。 1)「顔ジャンケン」プログラムを人対人で現実に実施した場合と、PC等の画面に顔イラスト画像を提示して実施した場合の心理評価を調査し、AndroidやiPadなどのタブレット端末で実行できる「顔ジャンケン」プログラムの有効性を評価するための基礎研究を行う。 2)高齢者が在宅で一人でも、また、スタッフが限られる医療機関や施設においても、認知機能および嚥下機能の維持向上のためのリハビリテーションに患者自身で手軽に取り組むことができるよう、タブレット端末を用いて「顔ジャンケン」プログラムを実行するためのアプリを開発する。
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Causes of Carryover |
現状調査の対象として予定していた協力病院において、COVID-19感染予防対策による立ち入り制限が継続したため対面での調査が必要な一部の研究を実施することができず、遠隔で実施可能な内容はオンラインを活用して行った。そのため、対面で行う必要のある調査については次年度に計画変更して実施することとし、当該研究計画に対応する助成金を次年度使用額として次年度の使用計画に組み入れる。また、協力病院および協力施設を新たに追加し、立ち入り可能な医療機関において調査および実践評価を行う。
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