2022 Fiscal Year Research-status Report
演技における多声性の実証的分析:発話システムの観点から
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22K12707
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
佐藤 由紀 玉川大学, リベラルアーツ学部, 教授 (90568156)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 演技 / アフォーダンス / ジェスチャー / 多声性 / 発話システム / 身体配置 / 生態学的想起 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、俳優の演技における発話システムにおける「自発的ジェスチャー(Kendon, 1986,2004; McNeill, 1987, 2005)」を中心とした身体配置のデザインの方法を解明することにある。具体的には、俳優の実制作の現場と本番のステージを対象に、演技の発話システムの多声性(McNeill, 2015) を成立させるために、身体配置のデザインの方法がどのように生成され、変容するのかを解明することを目的としている。 本研究は5年間で三つの段階を設定し、全体の目標を達成することを目標としている。具体的には①プロの俳優の実制作場面および本番ステージデータの収集、②データの実証的分析手法の検討とデータ分析、③「プレ-ジェスチャー」の発達構造の検討と成果の発表・論文執筆である。 2022年度はデータ収集するための準備期間と位置づけ、研究協力者である青山慶氏(岩手大学)と複数回にわたりオンラインにて打合せをおこない、特に芸術表現である俳優の演技をアフォーダンス(生態心理学)の視点から演技行為をどのように分析したらよいか、のシミュレーションと検討をおこない、記録システムの構想と分析機材環境の構築をおこなった。また、データ収集後の分析にむけて、既にあるデータを対象に予備的分析をおこない、「マイクロスリップ(Reed, 1992)」を分析単位として導入できる可能性があることをみつけられたことが収穫であった。これらの予備的分析は、ISGS(International Society for Gesture Studies)2022年度大会で「Examining theatrical performance gestures: How to an actor creates embodied body on the stage?」として発表された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目標の一つであった俳優の実制作場面の撮影については、コロナ感染拡大防止の状況が予想以上に長引き、現場(劇場や稽古場)に第三者が入ることのできない状況であったため、2022年度中に俳優の実制作の現場と本番のステージの撮影許可をとることができなかった。しかし、もっとも中心的な目標であった記録システムの構想と分析機材環境の構築は予定通り進めることができたため、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は「プロの俳優の実制作場面および本番ステージデータの収集」を目指す。平行して、分析手法の検討をおこない、分析に必要な機材やソフトウェア等があれば、それらを購入し予備的分析をおこなう。 万が一、2023年度の舞台データの収集が困難となった場合も想定し、既に取得しているデータ等での代用等、柔軟な対応を準備する必要がある。
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Causes of Carryover |
コロナ感染拡大防止の状況が予想以上に長引き、プロの俳優の実制作場面データの撮影等ができる予定が組めなかったため、データ整理や機器準備のための研究補助をお願いできず、人件費や謝金の支払いがキャンセルとなったため、差額が生じた。次年度以降、状況に応じながら可能な限り当初の研究計画にそって適切に執行する予定である。
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