2023 Fiscal Year Research-status Report
デザイナー及びデザインマネジメントのための新たなデザイン評価制度の調査・研究
Project/Area Number |
22K12712
|
Research Institution | International Professional University of Technology in Nagoya |
Principal Investigator |
小山 登 名古屋国際工科専門職大学, 工科学部, 教授 (70448009)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | コロナ禍における新たなデザインプロセス / クレイモデルレスの新デザインプロセス / モデルレスのデザイン評価手法による新しい意思決定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、先行研究が主として自動車のスタイリング(外形的デザイン)を対象としていたのに対し、100年に一度と言わる大変革期における自動車という製品、それを取り巻くサービス、それらを包含した新しいユーザー体験のデザインを対象とする。デザインの意思決定の対象や手法も大きく変わり、オンラインやリモートなどを取り入れるなどした新しい動きがある中、企業への聞き取りや質問票による調査で実態を再度把握し、新時代のデザインの意思決定のための評価手法を考察することにある。 令和5年度は、全体の計画の中での第2段階の年で、昨年の第1段階で収集した情報などから課題を整理・分析し、新たなデザインの意思決定の方法論の仮説を構築することがメインで、特に、米国でのヒヤリングで得た新プロセスの動きやリードタイムを短縮した評価手法などの動きをキャッチできたのは、大きな成果となっている。また、新たな評価方法と確定するのに不足している情報については、必要に応じて、補足のインタビューや企業訪問などを実施して補完していく。一方で、新たに日欧米の国際比較などを行い、それぞれの差異を明らかにする計画であったが、ベースとなる新評価方法か確定できていないためヒヤリングやアンケートが実施できずにいる。 上述のように、盛りだくさんのことを実施する第2年度ですが、実際、コロナ禍後の各自動車メーカーの社外との接触は、引き続きコロナ禍前のような自由な接触はできない状態で、担当者との面会や出先での打ち合わせなどが思うようにできずに、電話やメールによる一般的な情報交換しかできない時期が長く続いている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は、全体の計画の中での第2段階の年で、昨年の第1段階で収集した情報などから課題を整理・分析し、新たなデザインの意思決定の方法論の仮説を構築することがメインで、特に、米国でのヒヤリングで得た新プロセスの動きやリードタイムを短縮した評価手法などの動きをキャッチできたのは、大きな成果となっている。また、新たな評価方法と確定するのに不足している情報については、必要に応じて、補足のインタビューや企業訪問などを実施して補完していく。一方で、新たに日欧米の国際比較などを行い、それぞれの差異を明らかにする計画であったが、ベースとなる新評価方法か確定できていないためヒヤリングやアンケートが実施できずにいる。 上述のように、盛りだくさんのことを実施する第2年度ですが、実際、コロナ禍後の各自動車メーカーの社外との接触は、引き続きコロナ禍前のような自由な接触はできない状態で、担当者との面会や出先での打ち合わせなどが思うようにできずに、電話やメールによる一般的な情報交換しかできない時期が長く続いている。しかし、海外のデザイン拠点では、以前のように、訪問ができインタビューできる環境にあり、そんな中、米国のカリフォルニア州にある拠点では、引き続きコンタクトがとれて、訪問もでき、今までのデザインプロセスを大きく変えることとなっている新しいプロセスの現場を体感させてもらえたのは、大きな成果となっている。 現在、これらの内容を、論文化にすべく取りまとっめの最中で、日本感性工学会、もしくは日本デザイン学会で研究成果発表の準備を進めている。最終年度の前半になってしまうが、研究発表に向けての作業が進展している段階で、第3年度の報告には、具体的な成果が確認できると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
この第2段階で得た「新デザインプロセス」をベースに、他の企業ではどうしているのかを追加調査して、この「新デザインプロセス」と比較して検討して、新しいプロセスへの移行が確認できた時、更に進展すると思われる。 今後は、こういうプロセスの動きがあるという例を提示しながら、各企業がそれと比べてどうなのか、あるいは、独自の新しいプロセスなどを開発しているのかなど、聞ける範囲で、情報を収集していき、次年度のテーマである、日欧米のプロセス比較まで調査できればと考えている。仮に、日欧米のプロセス比較調査まで行かなくても、国内で確実に起きている「新しいプロセスの流れ」はしっかりとキャッチして、「新デザインプロセス」として、確立していきたい。
|
Causes of Carryover |
物品の購入を、第3年度の前期に先送りしたことで費用計上がなかったため。 また、アジア地区への海外出張を取りやめたことによる費用計上が少なくなったため。
|