2022 Fiscal Year Research-status Report
Bodily functionality and body models in body ownership of a virtual body
Project/Area Number |
22K12744
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
片山 正純 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (90273325)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 身体意識 / 運動主体感 / 身体所有感 / 身体の機能性 / 把持可能性 / 構造的類似性 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度には身体の機能性として対象物の把持性(把持しやすさ)および構造的類似性が身体所有感に影響するかどうかを調査した.実験1では,手形状を変形していない仮想手とより大きな物が把持できるように変形した仮想手において,つかみ易い対象物のサイズ,およびつかみ難い対象物のサイズを調査した.本実験では,異なるサイズの円柱を順番に提示し,その対象物を精密把持し,直前の対象物と比較して後続の対象物がどの程度把持しやすいかを5段階で調査した.この結果,直径40mmの対象物において変形無し仮想手ではつかみ易いが,変形有り手形状ではつかみ難いサイズとなった.直径80mmの対象物において変形無し仮想手でははつかみ難いが,変形有り手形状でつかみ易いサイズとなった.実験2では,把持しやすさ(対象物のサイズ:40mmと80mm)と構造的類似性(変形無し仮想手と変形有り仮想手)の2要因の被験者内実験計画によって実施した.条件1は変形無し仮想手でつかみ易い対象物とつかみ難い対象物,条件2は変形有り仮想手でつかみ易い対象物とつかみ難い対象物とした.各条件での施行後に,身体意識(運動主体感と身体所有感),把持しやすさ,手の構造的類似度に関するアンケート調査を行った.この結果,把持しやすさでは,変形無し仮想手と変形有り仮想手,および対象物のサイズ間において有意差が認められた(p<0.01).この傾向は実験1と同傾向であった.一方,身体所有感において,変形無し仮想手と変形有り仮想手の40mmの対象物において有意差が認められたが(p<0.01),対象物のサイズ間では有意差は認められなかった(p>0.05).これは,我々が提案している構造的類似性が身体所有感に影響を与えていることを示している.また,身体の機能性としての対象物の把持しやすさは身体所有感に影響していないことを示している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の研究目標である「身体の機能性(把持可能性)が身体所有感に影響するかどうかを明らかにし,さらに身体の機能性と構造的類似性の関係についても調査する」が概ね達成できたため,順調に進んでいる. しかし,購入予定であるHead mounted display(HMD)の最新機種が数多く発売されており,機種選定が遅れており購入できなかった.このため,HMDの動作要件を満たすGPUも購入することができなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度には,研究目標である「身体の機能性と身体所有感との関係をより詳細に調べる」を予定通り実施する.具体的には,対象物の把持性として把持可能性(把持できるかどうか)に焦点を絞り,2022年度と同様の実験計画によって調査する. また,2022年度に購入できなかったHMDを機種選定して購入し,HMDの動作要件を満たすGPUも購入し,現状の計測環境を更新する予定である.
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Causes of Carryover |
購入を予定していたHead mounted display(HMD)の最新機種が数多く発売されており,機種選定が遅れており購入できなかった.このため,HMDの動作要件を満たすGPUも購入することができなかった.2023年度にはHMDを機種選定し,さらにHMDの動作要件を満たすGPUも購入し,現状の計測環境を更新する予定である.
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