2023 Fiscal Year Research-status Report
The reconstruction framework of the imagined image using brain representation specific to imagination
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22K12746
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 美里 京都大学, 情報学研究科, 特定研究員 (40735320)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 認知科学 / fMRI / デコーディング / 想像・想起 / 夢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ヒトの視覚情報処理における知覚と想起の脳活動の違いを明らかにし、想起に特異的な脳内表現を反映した脳情報デコーディングを行うことで、高精細な想起イメージを再構成する技術を開発することである。二年目である2023年度は、昨年に引き続き、想起脳活動データセット収集の実験プロトコル開発、および画像再構成技術の改良を行なった。 (1) 画像再構成技術の改良について 想起などにおいて得られる弱い脳活動信号を、再構成画像に十分に反映するための技術改良に引き続き取り組んだ。想起イメージにおいて、よりターゲットの特徴を反映した多様性のある画像の再構成が可能となるように手法を改善し、また改善の妥当性について検証を行った。この改善手法は知覚イメージにおいても有効であったため、視覚情報のイメージ再構成自体の改善につながり、本技法を用いた幻覚の再構成についての論文が所属研究室より出版された。(研究発表、雑誌論文1)また、同様の技術を応用したいくつかの論文が出版準備中である。(研究発表、雑誌論文2、3) (2)想起脳活動データセット収集の実験プロトコルの開発について より効率的に想起イメージのトレーニングデータ収集を行うため、fMRI実験デザインの改良・検証を引き続き行なった。収集したデータに対してエンコーディング解析を行ったところ、既存の知覚画像のデコーディングとは異なる脳領野において想起に応じた脳活動が確認されることがわかり、それに基づく再構成の改善に取り組もうとしている。またこの解析の結果は学会にて発表した。(研究発表、学会発表1)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナへの感染症対策などによりデータの収集の開始に遅れが生じたが,昨年度末よりデータ収集が再開された.全体の進捗としては「やや遅れている」と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、実験プロトコルの開発・改良を行い、想起時の脳活動データセットの収集を行う。今後はデータ収集のスピードを早めていく予定である。また,これらのデータセットを用いた想起と知覚の信号の差異の分析、およびその画像再構成への反映についても、これまでに得られた知見に基づいて進めていくものとする。
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Causes of Carryover |
新型コロナの影響により実験計画が遅延したため,実験費用(MRI使用料)として確保していた額が未使用となっている.実験については,2023年度末より再開されつつあり,今後の使用予定については問題ないと考えられる.
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