2022 Fiscal Year Research-status Report
ブルガダ症候群患者のCT画像解析:心外膜脂肪が右室流出路の器質的変化をもたらすか
Project/Area Number |
22K12767
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
米津 圭佑 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (60926187)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 心外膜脂肪 |
Outline of Annual Research Achievements |
ブルガダ症候群患者における右室流出路周囲の心外膜脂肪が、右室流出路の心筋に対して炎症や線維化といった器質的変化を惹起し、心室細動の発生に関与しているのではないかという仮説を証明するために本研究を行っている。本研究ではその仮説をCT画像と炎症性サイトカイン・炎症マーカーで証明したいと考えている。CT画像では右室流出路のCT減衰率で心外膜脂肪の質の評価を行う方針である。先行研究から、健常群では心外膜脂肪の脂肪減衰率は正常パターン(低い勾配)を示すが、疾患群では心外膜脂肪での炎症や線維化を反映して、脂肪減衰率が高値(高い勾配)と考えている。 以上の前提を基に、研究を開始した。ブルガダ症候群患者は心肺停止で発見されることも多く、急性期に造影CTを撮影されていることが少なかった。撮影されたCT画像検査で、詳細な画像解析が可能なものは現時点では40名であった。2022年度にはその内に20名の画像解析(心外膜脂肪量、右室流出路のCT値、心外膜脂肪のCT減衰率)を終了している。臨床データの収集(バイタルサイン、病歴、内服薬、家族歴、遺伝子検査、12誘導心電図検査、ホルター型心電図検査、心エコー図検査、心臓核医学検査、心臓自律神経検査、心室遅延電位検査、薬剤負荷試験)と定期的なICDデバイスからの不整脈イベントの評価も開始している。 CT検査を用いた低侵襲な検査で、右室流出路の心外膜脂肪の量及び質の解析を行い、ブルガダ症候群患者の心室細動発生リスクを予測できるシステムを確立したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は60名のブルガダ症候群患者のCT画像解析を予定していたが、CT撮影日が昔の症例は画質の関係でCT減衰率の測定が困難であった。例年40名程度の無症候性ブルガダ症候群患者の紹介があるが、COVID-19感染による健康診断や病院の受診控えがあり、2022年度の無症候性ブルガダ症候群患者の紹介は僅か10名であった。そのため新規症例が極めて少なかった。 ラビットの心外膜脂肪量の測定とストック血清での炎症・線維化マーカーの評価は進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、画像解析可能なブルガダ症候群患者さんの解析を継続していく。同時に臨床データ、不整脈イベントの評価を行う。 ラビットの心外膜脂肪量の測定とストック血清での炎症・線維化マーカーの評価も進めていきたい。
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