2023 Fiscal Year Research-status Report
デュシェンヌ型筋ジストロフィーの遺伝子治療を目指した免疫応答回避性薬剤の開発
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22K12779
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
喜納 裕美 (早下裕美) 東京大学, 医科学研究所, 特任助教 (60532728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜納 宏昭 公益財団法人川崎市産業振興財団(ナノ医療イノベーションセンター), ナノ医療イノベーションセンター, 主幹研究員 (70283067)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 遺伝子治療 / AAV / 免疫応答 / コアシェル複合体 / ポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
AAVと体性幹細胞(MSCs)を用いて免疫寛容誘導を試みた筋ジストロフィー犬のサンプルについて、血清中抗AAV中和抗体価の測定のために、中和抗体測定系を立ち上げ、測定を行った。この結果、AAV+MSCの併用投与群においても、AAV投与から2週後および4週後はAAV(+)/MSC(-)群と抗体価に差は見られなかった。投与後16週ではAAV(+)/MSC(+)群ではMSC(-)群の半分の抗体価となった。 また、AAV3元系コアシェル複合体の物性解析の準備として、AAV-LuciferaseおよびAAV-GFPを作製・精製し、分担研究者に提供した。 複合体の物性解析を行うために、AAVベクターについてMass Photometryを用いた物性解析、Octetを用いた分子間相互作用解析の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
AAVとMSCを併用投与した筋ジストロフィー犬のサンプル(PBMC)について、ELISPOTの解析機器が所属研究室になく、免疫学的な解析が未達である。2023年度末に導入されたので今後行っていく予定である。 また、本課題で用いるAAV9-microdystrophinの大量精製に時間を要しており、in vivoでの投与実験が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
別課題で非ヒト霊長類に対するAAV+体性幹細胞の併用投与後の安全性、血清中抗AAV中和抗体価、免疫応答を検討中である(AAV投与は筋肉内投与)、イヌでの結果(AAV投与は全身投与)とも照らし合わせて解析を行う。 AAVベクター単独またはAAV-TA-Polymer(三元型複合体)について、物性解析、および中和抗体回避の再現を取り、筋ジストロフィーモデルマウスに投与を行った際のジストロフィンの発現の検討を行う。
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Causes of Carryover |
解析機器の準備などに時間を要したため、予定していた解析を次年度に行うこととなり、消耗品費を次年度使用とすることになった。
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