2023 Fiscal Year Research-status Report
三次元形態計測に基づく、ベージュ脂肪細胞への分化運命予測
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22K12797
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
服部 一輝 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任助教 (40708575)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ベージュ脂肪 / 1細胞解析 / スフェロイド / マイクロ流体技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界には10億人以上の肥満患者がいますが、多くの患者に適用可能な治療法は依然として確立されていません。ベージュ脂肪細胞の数を増やすことが有望な戦略と考えられていますが、治療法としては未確立の状況です。その大きな課題のひとつは、脂肪組織内の多様な前駆細胞集団から、ベージュ脂肪細胞への分化指向性の高い細胞を同定・単離することにあります。脂肪組織由来の前駆細胞集団を用いた解析では、エネルギー消費能が低い白色脂肪細胞への指向性が高い前駆細胞も含まれるため、ノイズの多いものとなってしまいます。そこで本研究では、ベージュ脂肪細胞の前駆細胞を形態学的に同定し、選別可能にすることで、新たな抗肥満戦略構築のための技術基盤を確立することを目指しております。 昨年度までに検討を進めていた1細胞分化系から発展させ、今年度は、スフェロイド分化系の開発に注力しました。具体的には、マイクロ流体技術を活用することで、直径100μm程度の区画化したハイドロゲルの微小培養系を大量に作製し、その中で脂肪前駆細胞スフェロイドを作製することに成功しました。作製した大量のスフェロイドの大きさが均一であることは、Pythonベースの画像解析パイプラインを用いて確認しています。加えて、作製したスフェロイドに対して分化誘導刺激を加えることで、脂肪滴を蓄積した脂肪細胞スフェロイドへと変化することを確認できました。すなわち、大量の脂肪前駆細胞スフェロイドを脂肪スフェロイドへと分化させるプラットフォームの構築に成功したと言えます。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた1細胞分化誘導系の開発に遅れが生じていたものの、新たにスフェロイド系の構築に成功し、本研究の目的の達成に順調に近づいている。
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Strategy for Future Research Activity |
開発に成功した大量スフェロイド培養系を用いて、1スフェロイド経時計測系の開発を進め、脂肪分化系列イメージングを達成する。
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Causes of Carryover |
これまで、1細胞およびスフェロイド培養・分化系の開発に注力をしており、脂肪分化系列イメージング系の検討を次年度に行うため、当該実験に必要となる費用も繰り越すこととした。
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