2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of three-dimensional oral structure, function diagnosis and treatment support system based on novel intraoral coordinate system
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22K12799
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
坂本 信 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80215657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平元 和彦 新潟大学, 自然科学系, 教授 (00261652)
亀田 剛 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 講師 (30277610)
小林 公一 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70296317)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 歯科 / 歯列 / 歯軸 / CBCT / バイオメカニクス / 三次元口腔内座標 / 顎運動 / 咬合平面 |
Outline of Annual Research Achievements |
上下顎の歯列関係を明らかにすることは,臨床上の適切な診断や調和のとれた補綴物の製作および歯科矯正において重要である.2022年度の一つ目の実績としては,数学的・幾何学的手法から上下顎間での歯列形態の三次元的な関係を調べることを目的とした.個性正常咬合者16名を対象にコーンビームCT画像による上下顎骨の三次元モデルから,3点の解剖学的特徴点を用いて,三次元口腔内ワールド座標系を構築した.そして,歯冠から歯根までの歯全体の幾何学的重心を求め,座標系に基づいた横断面,冠状面,および矢状面に投影し,回帰することで歯列曲線を定め,上下顎間での歯列形態の関係を求めた.その結果,横断面では,曲線式の次数項係数と定数項に上下顎間で正の相関傾向がみられた.さらに,歯列弓の歯列幅,歯列深さおよびアスペクト比にも上下顎間で正の相関が認められ,歯列弓形態は上下顎で対応することを示した.冠状面,矢状面では,上下顎間に明確な関係はなかったこと等を明らかにした. 二つ目の実績としては,新たな三次元口腔内座標系を利用して,咬合平面を定式化することに成功した.具体的には対象者ごとに定めた三次元口腔空間内において,咬合平面を数式で表現することを可能とした.これは,国内外に例をみない客観的な表現法であり,極めて大きな成果である. 三つ目の実績としては,新たな三次元口腔内座標系を用いた顎運動解析を行ったことであり,計測システムをほぼ完成させた.本技術は現在,特許申請を進めているところである
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の本研究の当初の計画は,初めにCBCT画像から上下顎歯の3次元歯軸,歯列の関係や咬合形態を表す咬合平面等の指標を明らかにする.ここでは,歯軸および歯列をワールド座標で表示するために,研究代表者らが考案した下顎の両側オトガイ孔2点と上顎切歯管1点の解剖学的特徴箇所から得られる3次元口腔内ワールド座標系構築法から,各対象者の口腔内に座標系を次のように設定する.初めに,左側オトガイ孔から右側オトガイ孔へのベクトルを仮X軸とし,次に,両側のオトガイ孔の中点から上顎切歯管を通るベクトルをZ軸とする.そして,オトガイ孔中点から2/3の位置を原点Oとする.Y軸はZ軸と仮X軸との外積とし,X軸はY軸とZ軸との外積から決定することで口腔内直交座標系が定まる.本座標系を用いれば,CBCTの機器や撮影時での測定対象者の姿勢に依存しない歯の3次元構造が表現できる. 顎運動解析は,上記の口腔内座標系に基づいた独自の計測・解析システムを開発する(坂本・平元・小林).従来の顎運動測定機器は大型で複雑であるが,開発する測定システムは単純かつ汎用性があり,精度の高い測定が実現できると考えられる.具体的には図7に示すように,上顎歯4本と下顎歯4本を対象とした直径約 6 mmのアルミナ球を利用した赤外線反射マーカー球がマウスピースの先端に取り付ける次に,CBCT撮像を実行して口腔内座標系を構築し,各マーカーの3次元位置を求める.そして,顎運動に伴うマーカー運動を6台程度の赤外線モーションキャプチャカメラで追従する3次元顎運動システムを試作し,速やかに国内・海外特許を申請する予定である. 以上の研究予定は,2022年度においてすべて達成している.
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Strategy for Future Research Activity |
2023~2024年度には,2022年度で製作した口腔構造・顎運動解析システムを用いて被検者50名程度の測定と解析を行う.ここでは特に,歯軸と歯列の関係や咬合面等を表す適切な数学的表現法を検討し,個人分類評価を行う.また,口腔構造情報を含む顎運動解析(咀嚼運動,限界運動,開閉口運動等)を行い,これまで正確に求めることが困難である3次元咬合接触状態や顎関節の動態等を明らかにする.最終年度には,本測定・解析法を歯科医師が使用しやすいユニットへと統合し,臨床歯科において広く用いられるシステムを開発・製品化して,研究成果を社会に還元する予定である.
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Research Products
(5 results)