2022 Fiscal Year Research-status Report
患者予後と医療経済を改善する超小型非侵襲的臓器血流測定装置新規開発への挑戦
Project/Area Number |
22K12803
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
吉田 素平 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (60380218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
惠木 浩之 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (20403537)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 組織酸素飽和度 / 臓器血流 / 食道亜全摘 |
Outline of Annual Research Achievements |
(概要)研究計画に則り、食道癌手術の際に大弯側細径胃管を作成し、腹部小切開部分で胃管を体外に導出し、組織酸素飽和度専用の測定プローベを用いて胃管吻合予定部で測定装置 (INVOS 5100Cシステム, Covidien社)に繋ぎ、組織酸素飽和度を測定した(n=12)。 (結果)組織酸素飽和度の全例での測定値の中央値は66.1、平均は66.3であり、当初胃管の形状などで測定方法に工夫を要したが、その後は比較的安定して組織酸素飽和度を測定することが可能であった。合わせてその際に臓器血流を測定するようにし、ICGを血管内に注入して近赤外線光測定装置で同部位の血流と、ICG注入から胃管到達までの時間を測定してデータを収集した。続いて術後縫合不全を発症した群と発症しなかった群とで組織酸素飽和度を比較したが、縫合不全なし群(9例)と縫合不全あり群(3例)でそれぞれ中央値63.0、73.0であり、両群間で統計学的な有意差を見出せなかった。また、ICGによる血流測定においても、縫合不全なし群(9例)と縫合不全あり群(3例)でそれぞれ胃管への到達時間が中央値44.0秒、50.0秒で若干縫合不全あり群で遅い傾向にあったが、両群間に統計学的な有意差は認めなかった。 (考察)これら有意差が確認できなかった原因については、コロナウイルス感染症による影響によって手術件数が極端に減少したため、予定されていた測定件数がクリアできなかったのが一つの大きな原因と考えられ、今後測定数を増やして検討を重ねる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナウイルス感染症の蔓延に伴い、病院の方策で手術件数を減らしてコロナ患者を受け入れる方針となり、そのため外科手術数が極端に減少したため十分な症例数(予定症例数20例)がリクルートできなかった。また、組織酸素飽和度を測定したが、胃管の形状により測定が難しい場合があり、測定にばらつきを認めた。手技の改善のため検討に時間を要したことも原因と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルス感染症も5類感染症に移行し、手術件数も元に戻りつつある状態であるため、今後測定件数は自然増加すると考える。現時点で縫合不全のありなしで、胃管の吻合予定部分の組織酸素飽和度に有意差を認めなかったが、これは測定数が少なくデータのばらつきが顕著であり、統計学的に差が出なかった可能性がある。測定数を増やすことでさらにデータを蓄積して検討を行う。また、今回の検討の際、吻合する相手の残った食道部分の組織酸素飽和度も縫合不全に関わる可能性が考えられた。そのため、今後の測定においては胃管のみならず、吻合先の食道断端部分でも組織酸素飽和度を測定する方針とした。ただし、食道断端は短く、現在使用しているプローべで測定するには横方向で測定するなど工夫を要する。実際に測定しながら最も適した方法で測定が行えるように実験を重ねる予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症蔓延に伴い、手術件数自体が減少したたため測定件数も併せて減少し、予定していた消耗品などの必要物品購入が不要となり余剰が発生した。次年度は今年度施行できなかった分の測定件数を増やすため繰越金を使用して必要物品を購入するためその費用に充足する予定である。
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