2022 Fiscal Year Research-status Report
補助人工心臓左室脱血管の科学的検証に基づいた装着法の開発
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22K12812
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
梅木 昭秀 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (60596344)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西中 知博 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (00256570)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 補助人工心臓 / 脱血管装着位置 / 補助循環 / 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
補助人工心臓は重症心不全治療において重要な治療手段の一つである。本研究では、多角的な科学的検証に基づいて、左室脱血管に関連する脱血不良、血栓塞栓症、溶血等の重大な合併症抑止と循環補助効率を両立する最適な装着法、およびそれを反映した左室脱血システム開発へと推進することを目的としている。 補助人工心臓左室脱血管装着法を規定する各種因子に関する研究を行うべく、左室心尖部における解剖学的な脱血管挿入方向、脱血管先端の左室内位置、及び左室脱血管の径と左室内流れ、左室壁せん断応力の関係性に関して、左心室モデルをCT撮影画像(動物)からComputer Aided Designソフトウエアにて作製し、これを用いて数値流体計算法によって検討を行った。 大動脈弁方向への脱血管挿入では、左室壁せん断応力は比較的均等となり、脱血管や左室中隔側を回り込むwash out flowが豊富にみられるなど流れが均等化する傾向にあった。僧帽弁方向への脱血管挿入では、直ぐに大部分の僧帽弁からの流れが脱血管に流入する一方で、脱血管や中隔側を回り込む流れが乏しく、左室壁せん断応力は自由壁側で高くなり、全体として流れが不均一になる傾向にあった。左室脱血管の左室内での挿入深度は僧帽弁からの流れの方向性と中隔側の流れに影響を与える傾向を認めた。左室脱血管の径は管内速度、脱血圧、左室内の流れの均等度に影響を与える傾向を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
補助人工心臓左室脱血管の科学的な検証に基づく最適な装着法の開発に向けて、補助人工心臓左室脱血管装着法を規定する各種因子に関する研究として、数値流体計算法による左室内流れ、左室壁せん断応力に関する検討を行っており、概ね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
数値流体計算法、実体モデル、動物実験等を用いた研究によって、補助人工心臓左室脱血管装着法を規定する各種因子の研究を推進する。左室内流れ、左室壁せん断応力、及び心拍動による形態変化、循環動態、心機能等による影響、並びに各種因子による生体反応等の多角的な方面からの研究を推進する。
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Causes of Carryover |
本年度の研究は数値流体計算法を中心に施行し、予算の執行上次年度使用が発生した。次年度以降は心臓実体モデル、動物実験等による研究を行う方針であり、心臓実体モデル作製、解析ソフトウエア、動物実験等において研究費を計画的に使用する。
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Research Products
(2 results)