2022 Fiscal Year Research-status Report
High-sensitivity super resolution imaging in contrast enhanced ultrasound by unipolar-coded pulse compression
Project/Area Number |
22K12834
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
平田 慎之介 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (80550970)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 造影超音波 / マイクロバブル / 超解像定位・イメージング / パルス圧縮 |
Outline of Annual Research Achievements |
超音波イメージングの一種である造影超音波では,微小な気泡であるマイクロバブルを含む造影剤を静脈から注入し,生体内を循環するマイクロバブルから発生する非線形なエコーのみを描出することで,血管相を高コントラストで可視化することができる.しかしながら,マイクロバブルが圧壊しないよう非常に弱い超音波を使用するため,特に深部からのエコーで信号対雑音比(SNR)が低いという課題もある.本研究では,そのようなエコーのSNRを向上させるため,2値の擬似ランダム系列を使用した単極符号化パルス圧縮を適用する手法を検討している。2022年度は,パルス圧縮における信号処理として,参照信号をマイクロバブルからのエコーに最適化したものへ変更した相互相関処理を提案し,SNRのさらなる向上と不要な線形成分の除去を実現した. 一方,通常は高密度で循環するマイクロバブルが単体で移動する様子を観察できる程度まで造影剤を希釈し,そのエコー中心を定位・追尾することで,超音波画像の空間分解能を大幅に向上させる超解像イメージングを実現することができる.しかしながら,本研究で使用する造影剤(ソナゾイド)を用いた超解像イメージングは,国内外においてほとんど報告されておらず,造影剤やイメージングの条件に関する知見が少ない.2022年度は,超音波画像中を単体で移動するソナゾイドを確認できるような造影剤の濃度,ソナゾイドを破壊しない超音波の音圧,エコー中心の追尾に適した超音波画像のフレームレートなどを決定する基礎的な検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
符号化パルス圧縮における参照信号では,送信する超音波(正弦波)の周期(数や間隔)に対応するデルタ関数列を用いることが一般的であり,線形なエコー,非線形なエコーともにデルタ関数の数に応じてSNRが向上する.これまでの研究では,このデルタ関数列の配置,間隔を変更することでパルス圧縮の特性が変化することに着目し,非線形なエコーを選択的に強調する参照信号を提案した.今後は,マイクロバブルからのエコーに対して参照信号の形状を最適化していくプロセスを検討している. 超解像イメージングでは,ソナゾイド単体からのエコーが移動する軌跡から血管走行を描出する.これまでの研究では,造影剤やイメージングの条件を調整することで,水中に配置したシリコンチューブ内で所望の超音波画像を取得することに成功している.今後は,生体模擬ファントム内にチューブを配置し,周辺組織からの線形なエコーも存在する状況での検証や,動物実験の実施などを検討している.
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Strategy for Future Research Activity |
まず,ソナゾイドが照射された超音波によって膨張,収縮するモデルを数値計算によって構築する.そして,そこから発生するエコーの時間波形を計算し,SNRを最大化できる参照信号の形状を決定する.最適化された参照信号を用いたパルス圧縮は,超解像イメージングへの応用に限定せず,通常の造影超音波検査での採用も検討し,ファントム実験や動物実験での検証を行う. これまでの研究は,通常の超音波リニアプローブで撮像される2次元画像において行っていた.今後は,2022年度に導入した2次元アレイプローブで撮像される3次元の画像においても同様の結果が得られるか検討を行う.3次元画像では,通常の2次元画像とは異なり,空間情報をどのように可視化すべきかについても検討しなければならないため,3次元エコーの表示方法と定位・追尾方法に関する検討を同時に進める必要がある.
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