2022 Fiscal Year Research-status Report
Accuracy estimation and improvement of surgical navigation system based on error probability distribution and error propagation model
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22K12838
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小野木 真哉 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 准教授 (40456166)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 誤差解析 / 誤差確率 / 人的要因 / 手術ナビゲーション |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度では,ナビゲーションの誤差解析の中でも,術者がナビゲーション画面を目視して術具位置を合わせる際の人的要因についてモデル化をし,人的要因を考慮した誤差推定値が実験結果と一致するか評価を行った. 人的要因については画面上の計画線と術具線の位置および姿勢の誤差の認識できる確率(弁別能)として定義した.これは,誤差を認識できた場合,ナビゲーション画面に基づいて術具位置を調整するため,誤差を認識できなかった場合に誤差として残るからである.被験者に対して,弁別能の測定を行った結果,個人差がありつつも全ての被験者において弁別能はシグモイド曲線でモデル化できることを確認した. 次に,弁別能を用いた誤差解析手法について検討した.術具が計画に対して,ある誤差の時のナビゲーション画面へ投影を計算し,その投影結果に対して弁別能から誤差検出確率を算出する.これを十分な範囲の術具位置・姿勢に対して求めることで,術具の位置・姿勢誤差に対する誤差確率マップを得ることができる.この確率を重みとした誤差の事情平均平方根を求めることで誤差推定値を得ることができる.ナビゲーションに基づいた術具の位置合わせ精度と推定値を比較することで,本モデルの評価を行った.結果より,様々な投影方向に対しモデルと実験結果は非常によく一致し,弁別能を含む誤差解析が適切であることが確認された. 以上の結果を国内学会で発表1件と,国際会議・論文(査読中)を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画どおり順調に進展している
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は,位置計測,特に平面マーカに対する誤差解析と誤差確率に基づいた最尤推定に取り組む.格子状の平面マーカ(いわゆるARマーカ)は簡便かつ安価である一方,精度が十分ではない.特に姿勢誤差はカメラに対する姿勢によって異なるため,その誤差解析と補正について検討されていない. 研究代表者らはこれまでジャイロスコープなどの慣性センサと平面マーカを組み合わせることで姿勢精度の向上について取り組んできた.カルマンフィルタなどで最尤推定を用いてデータ統合を行うためには誤差分布が必要であり,その誤差分布が測定条件によって変動する場合について検討する. 具体的には平面マーカがカメラに投影された時の誤差確率を求め,平面マーカのカメラに対する姿勢と誤差の関係をモデル化する.また,カメラとの距離やカメラの解像度を含むものとする.構築した誤差モデルを用いて,測定誤差を表現できているか確認をした後に,センサ統合に用いる.これにより,より適切な最尤推定が可能になると考えられる.また,カメラにおける射影変換行列を同定するカメラキャリブレーションへの応用についても検討する.
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Causes of Carryover |
物品について調達納期が長く次年度へと繰り越すこととした. 国際学会について予定していた欧州からタイ王国に変更したため差額が生じた. 研究実施上の問題は生じていないが,適切に計画に基づいた執行に努める.
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