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2022 Fiscal Year Research-status Report

Recent Advances in Nanomaterial-Assisted Combinational Sonodynamic Cancer Therapy.

Research Project

Project/Area Number 22K12851
Research InstitutionYokohama College of Pharmacy

Principal Investigator

弓田 長彦  横浜薬科大学, 薬学部, 教授 (40191481)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 桑原 弘行  横浜薬科大学, 薬学部, 准教授 (10598642)
矢野 健太郎  横浜薬科大学, 薬学部, 講師 (40644290)
Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords超音波 / ナノ微粒子 / アポトーシス / 一重項酸素 / ポルフィリン化合物 / 集束型超音波照射装置 / 電子スピン共鳴
Outline of Annual Research Achievements

がんの治療は、外科手術、放射線治療、化学療法により行なわれてきたが、いずれも腫瘍選択性の観点において理想的と言えるものではなく,これらを腫瘍選択性に優れる新療法の実現が望まれている。現理想的な癌の治療法としては、生体への損傷が少ないこと、選択性に優れること.条件が要求される。我々は、これまでの基礎研究により、ナノ粒子であるカーボンナノチューブが超音波照射により顕著な抗腫瘍効果を発生することを発見した。
上記薬物の薬物単独による毒性は、従来の抗癌剤に比べて無視できるほど小さく、また、超音波の集束性により超音波焦域外における音響化学効果発生を原理的にさらに小さく抑えることができるので超音波を集束した患部以外における副作用が実質的に無視できる治療の実現を期待することができる。また、機能性フラーレンおよび機能性カーボンナノチューブが光化学的励起し活性酸素を産生することが報告されている。そこで、本研究では、従来の治療法の技術的な限界を克服することを目的に、遠隔作用力を持つ外部エネルギーである超音波と音響化学的に抗腫瘍活性化する水溶性の機能性カーボンナノチューブを組み合わせた新たな腫瘍ターゲティングシステムの開発を行うことを目的とした。本年度は、超音波単独、または機能性カーボンナノチューブとの併用による単離腫瘍細胞に対する殺細胞作用の増強を確認した。さらに、活性酸素種消去剤添加の超音波と機能性カーボンナノチューブ併用による殺細胞作用に対する影響を検討したところ、一重項酸素の消去剤であるヒスチジンの添加が、超音波と水酸化カーボンナノチューブ併用処置の殺細胞効果を著しく抑制することを認め、その殺細胞作用機序においける一重項酸素の関与を推定した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は、超音波単独、または機能性カーボンナノチューブとの併用による単離腫瘍細胞に対する殺細胞作用の増強を確認した。さらに、活性酸素種消去剤添加の超音波と機能性カーボンナノチューブ併用による殺細胞作用に対する影響を検討したところ、一重項酸素の消去剤であるヒスチジンの添加が、超音波と水酸化カーボンナノチューブ併用処置の殺細胞効果を著しく抑制することを認め、その殺細胞作用機序においける一重項酸素の関与を推定した。

Strategy for Future Research Activity

【現在までの達成度】
これまでに、超音波単独、または機能性カーボンナノチューブとの併用による単離腫瘍細胞に対する殺細胞作用をトリパンブルー排除法によって確認した。超音波と併用することにより殺細胞効果が発現、または増強されるナノ粒子をスクリーニングした結果、水酸化カーボンナノチューブで優れた増強効果を認めた。超音波の作用には物理作用と、キャビテ-ションを介して発生する活性酸素種による化学作用とがあると推定されるため、活性酸素種消去剤添加の超音波と水酸化カーボンナノチューブ併用による殺細胞作用に対する影響を検討した。OHラジカルの消去剤であるマンニトールとスパーオキサイドラジカルの消去剤であるSODは併用による殺細胞効果に対し有意な抑制作用を示さなかったのに対し、一重項酸素の消去剤であるヒスチジンの添加が、超音波とカーボンナノチューブ、または水酸化カーボンナノチューブ併用処置の殺細胞効果を著しく抑制することを認めた。以上の所見より超音波と水酸化カーボンナノチューブ併用による殺細胞作用機序において一重項酸素の関与を確認した。超音波音波による水酸化カーボンナノチューブ増感作用のメカニズムとして以下に示す過程を考案した.殺細胞作用発現の過程を,その順を追って並べると,
超音波の負圧による微小な気泡(キャビテ-ション気泡)の生成→超音波の正圧による気泡の圧壊→気泡内の気体の断熱的圧縮→数千℃に相当するエネルギ-の発生→水酸化カーボンナノチューブの励起→水酸化カーボンナノチューブから基底状態の酸素へのエネルギ-の受け渡し→一重項酸素の産生→一重項酸素による細胞膜の破壊,及び細胞内器官の損傷となる.

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Published: 2023-12-25  

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