2022 Fiscal Year Research-status Report
超音波治療の非侵襲治療領域検出のための超音波・光学・病理トリプル計測技術
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22K12857
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
高木 亮 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (20771885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 一陽 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (50963964)
田村 和輝 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 助教 (40822614)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 超音波治療技術 / 病理組織解析技術 / 臓器音響解析技術 / 光学計測技術 / 超音波診断技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、非侵襲にがん等を治療できる強力集束超音波(High Intensity Focused Ultrasound:HIFU)治療(以下、HIFU治療という。)の前後の臓器間の病理的・音響的変化と診断用超音波信号変化の関係を明らかにして,臓器の種類によらず、HIFU治療中のたんぱく凝固(組織壊死)領域のみを診断用超音波信号で、高精度・高感度に検出する技術を確立することである。 本研究の目的を達成するにあたり、2022年度は、研究分担者を中心に病理画像や超音波顕微鏡画像等の組織解析によって、たんぱく凝固領域の組織構造変化の臓器間の違いを明らかにする病理解析系の構築を行った。 具体的には、豚の肝臓、筋肉等の組織病変を病理的・音響的に解析できる実験系を構築した。病理解析においては、ホルマリン固定から病理組織切片を作成し、病理観察できる実験系を構築した。音響解析においては、超音波顕微鏡を用いて各臓器間の音響特性(音速や音響インピーダンス等)を計測することができるようになった。同時に光学・病理解析を同時に行うためのHIFU照射・超音波計測の実験系を構築した。超音波・光学解析も同時に行う必要があることから、HIFU治療装置の小型化や光学カメラの設定、アングル等を調整し、本研究に特化した実験系を構築することができた。2022年度の成果により、本研究の目的である、HIFU治療における「超音波・光学・病理トリプル計測技術の確立」に向けたシステムの土台を構築することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度から2年間、独立行政法人医薬品医療機器総合機構への出向が命じられ、主務が出向先の業務となっているため、本研究課題の遂行が遅れている。その中でも研究分担者と密にコミュニケーションをとりながら組織の病理解析・音響計測の構築を行っており、2022年度においては、本研究を遂行する際の土台となる病理解析・音響計測の実験系の構築を進めることができた。しかしながら、出向先の業務が優先となるため、私の担当である、超音波治療・計測実験系の構築とそれに伴う成果発表が計画よりも遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、2023年度も出向先での業務が優先となるため、本研究実施における私の担当パートは遅れることが予想されるが、引き続き、土日等を活用し、私自身の本研究の実験を進めていきたい。研究分担者に実験の一部を担当していただくことにより、本研究課題を遂行するための基礎的なデータ収集等を行っていきたい。
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Causes of Carryover |
2022年度は出向先業務が主務となっており、当初計上していた実験系構築費用や実験費用等の支出がなかったため、当該助成金が生じた。 次年度の研究遂行における実験系・実験費用として使用する計画である。
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