2022 Fiscal Year Research-status Report
慢性腎臓病に対する新規ナノ治療戦略の確立へ向けての前臨床研究
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22K12858
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
片山 泰章 岩手大学, 農学部, 教授 (70436054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 洋 岩手大学, 農学部, 教授 (00726606)
宮崎 雅雄 岩手大学, 農学部, 教授 (20392144)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 腎虚血再灌流 / ラット / ナノ粒子 / ピタバスタチン |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は先行研究としてまず、げっ歯類で実績のあるラット左腎虚血再灌流モデルにより虚血腎障害を惹起し、再灌流後24時間でのFITCナノ粒子の左腎組織への分布について検討を行った。FITCナノ粒子の投与量はラットの心筋虚血再灌流モデルで虚血障害抑制効果が認められるピタバスタチン(1mg/kg, 4mg/kg)を含有するナノ粒子投与量を用いた。肝臓や脾臓にはFITC強染は認められなかった。左右の腎組織には明らかな差異は認められなかったが、左腎組織の方がやや染色が強く、尿細管腔内に強染が認められた。髄質よりも皮質の方が強く染色されていた。次年度は再灌流後1、3、6時間において再度検討することにした。 また、ラットによるアデニン投与腎障害モデルを作成し、ピタバスタチン含有ナノ粒子の腎機能への影響について検討した。投与量はピタバスタチン4mg/kgを含有するナノ粒子量とし、投与は静脈内投与とした。観察期間はアデニン投与開始3日間とし、ナノ粒子はアデニン投与開始から3日間とした。本検討では、ナノ粒子投与はアデニン腎障害急性期において腎機能評価マーカーであるBUNおよびCreには両群間に明らかな差異は確認できなかった。同様に腎組織においても尿細管間質の線維化、炎症細胞の浸潤の程度に差異は確認できなかった。ピタバスタチンの有効性についてはラット腎線維化モデルでその有効性が報告されている。次年度は腎線維化モデルにおいてナノ粒子の有効性について検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ナノ粒子の供給に遅れが出たため。
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Strategy for Future Research Activity |
ナノ粒子の腎組織への分布については、観察期間をより短時間にして検討することにした。 また、ピタバスタチンナノ粒子の有効性については、急性腎障害モデルではなく、慢性の腎線維化モデルを用いて検討することにした。
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Causes of Carryover |
ナノ粒子製剤の製造、供給に遅れは生じたため、実験に遅れが生じた。そのため、物品購入費や謝人件費の使用額が低くなったため。
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