2023 Fiscal Year Research-status Report
有害事象報告データおよびレセプトデータを用いた薬物相互作用に関する研究体制の構築
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22K12895
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
須永 登美子 昭和大学, 薬学部, 准教授 (20718530)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 彰子 昭和大学, 薬学部, 助教 (00768153)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 薬物相互作用 / 有害事象自発報告データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度(4年計画の1年目)は、有害事象自発報告データベースであるJAEDR(Japanese Adverse Drug Events Report System)とFAERS(FDA adverse event reporting system)を用いてDOACs(Direct Oral Anticoagulants)と抗てんかん薬の薬物相互作用の可能性が考えられる有害事象報告を抽出し、データセットを行ったが、解析まで実施することはできなかった。しかし、FAERSを用いて免疫抑制剤タクロリムスとアジスロマイシンによる薬物相互作用(血中濃度上昇、急性腎障害)についての研究を実施した。その成果は、第32回日本医療薬学会年会でポスター発表した。 2023年度(4年計画の2年目)は、FAERSとJADERを用いてDOACsと抗てんかん薬の薬物相互作用の可能性が考えられる血栓塞栓症の副作用報告を抽出し、不均衡分析を行い日米比較も合わせて実施した。その成果は、日本薬学会144年会でポスター発表し、論文投稿中である。また、循環器疾患診療実態調査(JROAD)-DPCを用いて、心不全患者の母集団から担癌患者を抽出し、抗がん薬の種類と臨床転帰について検討した。成果は、論文投稿中であり、本年度ポスター発表を予定している。 2024年度(4年計画の3年目)は、DPCデータベースを用いてDOACsと抗てんかん薬による薬物相互作用のデータセットアップおよび解析を進めている。また、薬物相互作用に関連する潜在的に不適切な処方に関して、心不全患者を対象にJROAD-DPCを用いて実態を把握し、焦点をあてる医薬品の薬物相互作用の選別に活用する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FAERSとJADERを用いてDOACsと抗てんかん薬のデータセットアップが終了し、血栓塞栓症報告数に対して不均衡分析を行った。日米比較についての結果については、日本薬学会第144年会でポスター発表し、現在雑誌に投稿中である。また、レセプトデータを用いたDOACsと抗てんかん薬併用による薬物相互作用の検討は、DPCデータを用いて検討する方針が定まったため、令和6年度中にデータセットアップおよび分析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
DPCデータを用いたDOACsと抗てんかん薬による薬物相互作用のデータセットアップおよび分析に速やかに着手する。また、薬物相互作用に関連する潜在的に不適切な処方薬に関して、心不全患者を対象にJROAD-DPCデータを用いて実態の把握の調査を行い、焦点をあてる医薬品の薬物相互作用の参考にする。
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Causes of Carryover |
2023年度にデータベースを購入予定であったが、適切なデータベースの選定が間に合わなかったため、2024年度に購入予定(JROAD-DPCデータ50万)である。また、2024年度国際学会での発表(心不全合併の担癌患者の抗がん薬の種類と臨床転帰)にエントリーしており採択された際には現地で発表する予定であり参加費および渡航費に使用する。さらに、投稿中の研究が受理された場合は掲載費に使用する。
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