2023 Fiscal Year Research-status Report
次世代mRNAワクチンの有効性・安全性評価法の開発
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22K12901
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
水上 拓郎 国立感染症研究所, 次世代生物学的製剤研究センター, センター長 (60415487)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | mRNAワクチン / LNP / バイオマーカー / MicroRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年末に発生した新型コロナウイルスは瞬く間にハンデミックとなったが,mRNAワクチン等の緊急使用承認を受け,世界各国での接種開始が実現した。 mRNAワクチンに関しては,全く新規製剤であるため新規の有効性・安全性評価法の開発が求められる。そこで,本研究課題では,我々の開発したバイオマーカーを用いたin vivo及びin vitro安全性評価法で新規の mRNAワクチンの評価が可能か検証すると共に,国立病院機構村山医療センターとの共同研究で得られた,医療従事者における新型コロナmRNAワクチン接種後の血清サンプルを用い, mRNAワクチンの有効性・安全性に資する新規バイオマーカーの同定を試み, 次世代のmRNAワクチンの有効性・安全性評価法の開発を行う。 2023年度は、SARS-CoV-2のmRNA配列に基づき、mRNAワクチンを製造した。またLNPも製造し、既成と類似のmRNAワクチンを製造することに成功した。さらに、接種後の局在等を明らかするため、GFP mRNAワクチンとLuciferase mRNAワクチン、albumin mRNAを製造し、 SARS-CoV-2 Spikeの局在と比較できる体制を構築した。2023年5月に新型コロナウイルスが5類感染症に分類されたことや、ワクチン接種の公費補助がなくなり、自費接種になったことから、mRNAワクチンの購入が可能となった。現在、これらの購入を確認中で、購入可能な場合、比較する予定である。 また、XBB系統mRNAワクチン接種7回目、8回目の接種後の血清を用い、XBB系統に対する中和抗体の誘導能について検証し、XBB系統の追加接種により、有意に中和抗体が上昇していることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年5月に新型コロナウイルスが5類感染症に分類されたことや、2023年3月末までにワクチン接種の公費補助がなくなり、自費接種になったことから、mRNAワクチンの一般購入が可能となった。そこで、我々の製造した実験室レベルのものでなく、実際に使用されている製剤を使ったほうが結果の信頼性が増すと考え、貴重なサンプル、ワクチンを無駄にしないよう、Pfizer,Modernaの製剤が入手できるまで、実験を延期したことが、大きな理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、承認されているmRNAワクチンの入手が可能となったため、2024年度早々に購入し、今まで製造したモックmRNA Vaccineも用い、培養細胞及び動物実験に移行し、バイオマーカーの有用性の検証、新規バイオマーカーの検索を行う。 また、医療従事者における新型コロナmRNAワクチン接種後の血清サンプルを用い,血清中のSpike特異的抗体価及び中和活性を検証 し、ワクチン接種により、Spik特異的抗体が誘導されていることが明らかにするとともに、ヒトと動物で共通するmicroRNAなどのバイオマーカーの探索を行う。今後、これらの検体を用い、mRNAワクチンの有効性・安全性に資する新規バ イオマーカーの同定を試み、培養細胞および動物実験の結果と比較検証する。
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Causes of Carryover |
2023年5月に新型コロナウイルスが5類感染症に分類されたことや、ワクチン接種の公費補助がなくなり、自費接種になったことから、mRNAワクチンの購入が可能となった。現在、これらの購入を確認中で、購入可能な場合、購入し、比較する予定である。
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[Journal Article] Report for the Eighth Asian National Control Laboratory Network meeting in 2023: Self-sufficiency strategy of plasma-derived medicinal products and regulatory harmonisation2024
Author(s)
Choi CW, Choi Y, Maryuningsih YS, Wibisono B, Kim JW, Ramondrana D, Mizukami T, Ochiai M, Samat AA, Mangorangca C, Thi DL, Van HP, Shim SB, Seong SK, Shin IS.
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Journal Title
Biologicals
Volume: 85
Pages: 101754
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Identification of a Self-Assembling Small-Molecule Cancer Vaccine Adjuvant with an Improved Toxicity Profile2023
Author(s)
cite Zhuo SH, Noda N, Hioki K, Jin S, Hayashi T, Hiraga K, Momose H, Li WH, Zhao L, Mizukami T, Ishii KJ, Li YM, Uesugi M.
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Journal Title
J Med Chem
Volume: 66
Pages: 13266-13279
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Saturation time of exposure interval for cross-neutralization response to SARS-CoV-2: Implications for vaccine dose interval2023
Author(s)
Miyamoto S, Kuroda Y, Kanno T, Ueno A, Shiwa-Sudo N, Iwata-Yoshikawa N, Sakai Y, Nagata N, Arashiro T, Ainai A, Moriyama S, Kishida N, Watanabe S, Nojima K, Seki Y, Mizukami T, Hasegawa H, Ebihara H, Fukushi S, Takahashi Y, Maeda K, Suzuki T.
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Journal Title
iScience
Volume: 26(5)
Pages: 106694
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 武漢型、BA.1及びBA.4-5対応型SARS-CoV-2 mRNAワクチンブースター接種によるオミクロン変異株に対する有効性及び安全性に関する研究.2023
Author(s)
4.水上 拓郎, 野島 清子, 関 洋平, 百瀬 暖佳, 福士 秀悦, 森山 彩野, 石井 美枝, 今井 恵子, 高橋 宜聖, 前田 健, 鈴木 忠樹, 吉原 愛雄, 濱口 功.
Organizer
日本ワクチン学会, 2023年10月21日-22日 静岡
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[Presentation] 武漢型及びオミクロン対応型2価ワクチンブースター接種(4回目)によるSARS-CoV-2オミクロン変異株に対する中和能及び安全性の評価2023
Author(s)
5.関 洋平, 野島 清子, 百瀬 暖佳, 福士 秀悦, 森山 彩野, 石井 美枝子, 今井 恵子, 高橋 宜聖, 前田 健, 鈴木 忠樹, 水上 拓郎, 吉原 愛雄, 濵口 功
Organizer
第70回 日本ウイルス学会、2023年9月26日ー28日、宮城県仙台市