2022 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22K12913
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
田中 久弥 工学院大学, 情報学部(情報工学部), 教授 (80296384)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 認知症 / 軽度認知障害 / ブレイン・コンピュータインタフェース / 文字入力 / 早期診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
軽度認知障害の脳情報予測技術の開発のために,予測技術の精度を向上させ,スマートフォンと簡易脳機能検査装置に実装する研究を行ってきた.BCI計測項目による認知症の症状・状態の分類を行った.その結果,独自指標SEDVと文字入力正答率において,アルツハイマー型認知症群と軽度認知障害群に有意な差がみられた.加えて,Fz電極とOz電極のP300振幅差分において,レビー小体型認知症群と認知健常群,軽度認知障害群,アルツハイマー型認知症の間に有意な差がみられた.よって,認知症群と非認知症群の分類への有効性が示唆された. P300スペリングタスク時における脳波のツァリスエントロピーとコヒーレンスによる指標を開発した.その結果,θ波とβ波のコヒーレンスにおいて,神経心理学検査MMSE得点との間に負の弱い相関が認められた.加えて,θ波とα波のツァリスエントロピーとβ波のコヒーレンスにおいて,認知健常群と軽度認知障害群に有意な差がみられた.よって,軽度認知障害の早期発見に向けて,ツァリスエントロピーとコヒーレンスは脳波指標として有効であることが示唆された. P300-Spellerによる認知機能低下の可視化方法を開発し,独自指標SEDVとMDS,AACの有効性を検証した.その結果,認知健常群と軽度認知障害群の間において,独自指標と神経心理学検査MoCA-J得点との相関値が高くなることが確認された.これより,軽度認知障害の分類において,SEDVとMDS,AACは脳波指標としての有効性が示された. P300スペリングタスク時における自発脳波の脳左右差による指標を開発した.その結果,θ波とα1波の脳左右差において,認知機能低下に伴う減少傾向がみられ,認知健常群と認知症群に有意な差が認められた.したがって,認知機能低下の予測に,自発脳波の脳左右差は脳波指標として有効な可能性が考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで計測したデータに基づくMCI検査アルゴリズムの開発とその検証はおおむね順調に進んでいる。データを増やすための病院との連携は研究倫理審査の課題があり保留になっているが。八王子地域と連携して高齢者のデータ取得が行われている。
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Strategy for Future Research Activity |
計測・検査の簡便化のための実装を行う。計測の簡便化のために特殊な形状の脳波センサーを開発しその性能評価を行う。また検査方法をネットワーク経由で行う実装を行い、その検証を行う。
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Research Products
(9 results)