2022 Fiscal Year Research-status Report
リハビリテーション用肩関節・肩甲骨周辺動作アシストロボットシステムの開発
Project/Area Number |
22K12934
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
寺田 英嗣 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (40262646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
牧野 浩二 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (60560159)
石田 和義 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (70324176)
孫 瀟 山梨大学, 大学院総合研究部, 助教 (90817264)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ロボット / 上肢リハビリテーション / 肩関節 / 肩甲骨 / パラレルリンク |
Outline of Annual Research Achievements |
肩関節および肩甲骨周辺のリハビリテーション動作時の運動シミュレーション解析結果に基づき,最初に体に沿うような肩甲骨部周囲可動軸2軸,上腕部可動軸2軸の上腕アシストロボット機構部を設計し,試作機を製作した.この設計では上腕部の駆動アクチュエータが動作に干渉しないように配置位置を肩甲骨部背面付近にアクチュエータを置いている.特に右腕・左腕どちらの腕でも対応可能なように,機構の回転機構を新たに考案し,また肩甲骨部にあたる箇所の構造を両腕に対応可能な形状に変更した.また肩甲骨部の駆動機構の設計においては,パラレルリンク機構を用いていることから,特異点回避が重要であることから,特異点解析を行い,本試作機においては動作範囲内での特異点の発生がないことを数学的に求める方法を提案し,計算により問題がないことを実証した.更に試作機の実際の動作でも問題ないことを確認した.加えて転倒リスクを低減するために,アシストロボットと使用時の椅子を一体化,また緊急時に対象者が自分で装置を停止することができるよう非常停止システムを追加する等,安全性向上の配慮を行った.また理学療法士が通常のリハビリテーションを行うことにより,ロボット側がその動作を学習し,各種設定が自動的に生成できる制御手法を実現するために,ダイレクトティーチングが可能なアクチュエータを4個用いて,動作情報の獲得と再現が可能な制御アルゴリズムを構築した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基本形状設計および試作機の製作により,基本動作の確認が可能になったことと,本研究結果に基づき,特許申請(特願2022-120528,肩部訓練装置)を行う等,おおむね順調に成果が出ている.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画の通り初年度は患者の上肢を理学療法士が動かす際に,アクチュエータ内蔵のエンコーダにより各軸の動作量を自動的に取得するダイレクトティーチ-プレイバック方式により実現したことから,まずこの結果を用いて,動作範囲や速度の解析を行い,リハビリテーション動作に問題がないことを定量的に確認する.この際研究代表者らが開発したマーカーレス画像解析を用いて,できるだけ自然な動作になるように解析を進める.この解析結果とともに市立甲府病院での実施評価試験の準備を進める.
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Causes of Carryover |
参加予定の国内学会および国外学会がコロナ感染症のためそれぞれ2023年度に延期になったため,それに伴う旅費・参加費等が持ち越しになった.更に昨今の半導体不足の影響により一部の電子部品の納入が遅れるため変更した.
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Research Products
(1 results)