2022 Fiscal Year Research-status Report
チョムデン・リクペーレルティの『論理学七部論書荘厳華』第2章の翻訳および思想研究
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22K12971
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
崔 境眞 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 特任研究員 (30785415)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | チョムデン・リクぺーレルティ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、チベット仏教の学僧チョムデン・リクペーレルティ(13世紀)の仏教認識論・論理学に関する思想研究である。近年刊行された『カダム全集』に彼の著作の筆写本が影印版として収録されているほか、彼の伝記や著作物の校訂テキストも出版され、研究資料が充実しつつあるにもかかわらず、チベット仏教における彼の思想的位置づけについて検討が十分になされているとは言えない。本研究では、チョムデン・リクペーレルティのチベット仏教認識論・論理学史における思想的な位置付けを明らかにすることを目的とする。そのために、彼の仏教認識論・論理学に関する思想をまとめた著作である『論理学七部論書荘厳華』を和訳し、それに基づいてチョムデン・リクペーレルティの思想研究を行う。 ①チョムデン・リクペーレルティの伝記『信心の樹』の翻訳(進行中):チョムデン・リクペーレルティの人物像を掴めるために、彼の伝記を読み進めている。校訂テクストはKhams sprul bsod nams don grub氏によって公開されているので、それに基づいて和訳を作成している。 ②チョムデン・リクペーレルティ著『論理学七部論書荘厳華』のテクスト校訂および和訳(進行中) ③チョムデン・リクペーレルティの「刹那滅論証」に関する思想研究:チョムデン・リクペーレルティを中心とした師弟関係に着目し、彼の思想の独自性・特異性を生み出した時代的・思想的背景について考察した。その成果を刊行した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
『論理学七部論書荘厳華』全体のテクストの校訂および和訳のほうは研究協力者が見つからずやや遅れているが、チョムデン・リクペーレルティの「刹那滅論証」に関する思想研究を行い、その成果を単著の一部としてまとめ、刊行した。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進んでいる思想研究に比してやや遅れている『論理学七部論書荘厳華』全体のテクストの校訂および和訳の推進のために、月1回程度の定期的な研究会を設ける。その成果をもって年度末までに和訳の一部を研究雑誌などに発表する。
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Causes of Carryover |
8月中に韓国から研究協力者を招聘する予定だったが、研究協力者の健康上の理由でキャンセルとなり、旅費の使用計画が予定通りに進まなかった。この残額は、2023年度中に再度研究会を企画し、旅費として使用する。
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Research Products
(4 results)