2022 Fiscal Year Research-status Report
『高僧伝』『続高僧伝』人物情報データベースおよび人物相関図の作成
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22K12977
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
真名子 晃征 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 嘱託研究員 (10871189)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高僧伝 / 続高僧伝 / 費長房 / 歴代三宝紀 / 仏滅年代 / 末法思想 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、『高僧伝』『続高僧伝』について「①人物情報のデータベース化」「②一括検索ツールの構築」「③人物ネットワークの可視化」の作業に取り組んだ。また、本システムを活用した研究成果を発表した。 『高僧伝』については、立伝される257人に対して①の作業を完了、関連人物として約1800人を抽出した。②の入力作業も順調に進んでいる。③に関しては、全人物情報をとりこんだ相関図を作成、現在確認作業中である。『続高僧伝』については、①②③ともに作業継続中である。 作業と並行して、仏滅年代論をテーマにとりあげ、本システムを活用した研究論文を公表した。中国における仏滅年代の認識について、多くの情報を残す費長房『歴代三宝紀』の情報を整理した。加えて、『続高僧伝』人物情報データベースの作業結果をもとに、周辺の人物関係を調査した。これによって現在一般的に捉えられている、北周の時代に行われた廃仏が末法思想の流行に繋がったとする直接的な認識には、再考の余地があることを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
複数人による確認作業、技術者・研究機関との連携など、対面による打ち合わせや協同作業が実施できず、次年度以降へと延期となった。しかし、資料調査・データ入力作業・研究成果発表については、当初の計画以上に進んでいるため、おおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、おおよそのデータ入力を終えた『高僧伝』について、協力者との打ち合わせや協同作業の実施によって確認作業を進めていく。『続高僧伝』についても資料調査・データ入力作業を継続して行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究協力者および研究機関担当者との、対面での面談・打ち合わせ・協同作業を予定していたが、感染症の影響により実施できていないため、「旅費」「人件費・謝金」の予算が執行できていない。「その他」についても、当初予定していた研究機関等での資料収集が滞り、予算が執行できていない。 「物品費」についても、パソコン周辺機器など、必要とする物品が入手困難な時期が続き、予定していた機材の購入が遅れている。
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