2023 Fiscal Year Research-status Report
『高僧伝』『続高僧伝』人物情報データベースおよび人物相関図の作成
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22K12977
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
真名子 晃征 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (10871189)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 高僧伝 / 続高僧伝 / 法琳 / 破邪論 / 弁正論 / 仏滅年代 / 道仏論争 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は主として、本研究の作業結果を用いた成果発表および論文執筆を行った。 仏滅年代論をテーマをとし、多くの情報を残す費長房『歴代三宝紀』、法琳『破邪論』『弁正論』などの情報から、周辺の人物関係、時代状況などを整理した。これによって、漠然と関係づけられていた「仏滅年代論」「末法思想」「道仏論争」といった複数の課題が、当時の中国において意図的に繋げられる様相を詳細に辿ることができた。 特に、正法・像法・末法という時代観を踏まえた、いわゆる「末法思想」は、釈尊の入滅から一定の年月が経過した段階で末法という時代に入るとするものだが、当然のように考えられてきたこの時代観も「道仏論争」のなかで用いられた「仏滅年代論」があってこそ成立する。伝記等に示される周辺人物や時代状況を精査することで、複数の思想が連結するプロセスを整理できた。内容については、公開講座にて発表し、次年度に論文として公開予定である。 また、『高僧伝』『続高僧伝』の「①人物情報のデータベース化」「②一括検索ツールの構築」「③人物ネットワークの可視化」の作業についても継続中である。『高僧伝』については、①②の入力作業を完了し、③については全人物情報をとりこんだ相関図の確認・修正作業中である。『続高僧伝』については、①②③ともに作業継続中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
資料調査・データ入力作業・研究成果発表については、当初の計画通りに進んでいる。また、複数人による確認作業、技術者・研究機関との連携について、公開方法やプログラム構築についての議論も進んでおり、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、おおよそのデータ入力を終えた『高僧伝』について、協力者との協同作業によって人物相関図の修正作業を進め、具体的な公開方法を検討していく。『続高僧伝』についても資料調査・データ入力作業を継続して行う予定である。
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Causes of Carryover |
前年度に実施できず延期していた、研究協力者および研究機関担当者との、対面での面談・打ち合わせ・協同作業を順次再開したが、それでも計画予定のものが一部実施できなかったため「旅費」等の予算が執行できていない。すでに次年度の計画に組み込み執行予定である。
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