• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

西洋世界への日本仏教の「発信」と「受容」-英文テキストを手がかりに-

Research Project

Project/Area Number 22K12985
Research InstitutionRyukoku University

Principal Investigator

嵩 宣也  龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (30921762)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Keywords翻訳 / 日本仏教の国際化 / 仏教モダニズム / 近代仏教 / 英文仏書
Outline of Annual Research Achievements

2023年度は、英文仏書を翻訳による共同作業の「場」と想定し、①学会発表、②翻訳の実践、③翻訳の研究という3つの観点から研究を進めた。
①については、Translating Modern Buddhism: Reception and Transmission through“Prayer”(The Asian Studies Conference Japan Panel: Translating Religion, the Nation, and Emotions in Modern Japan)と題して、2023年度、上智大学の日本アジア学会にて発表を行った。
②に関しては、2つの実際の翻訳業務に従事した。第1に、翻訳:デビッド松本「真宗学のゆくえ-その将来の可能性を展望する」である。この翻訳では、真宗学という学問体系のあり方をグローバルな文脈で問う必要性が訴えかけられている。翻訳の実践を通して、浄土教に関する翻訳すべき訳語とそのまま音写すべき訳語の選択など、著者と話し合いながら翻訳を進めた。なお、この成果は『真宗学』149号・150号 2024年3月 に掲載されている。もう1つの翻訳の実践としては、翻訳:パリデ・ストルティーニ「旅行記からテレビまで―近代仏教とシルクロードの想像―」である。本論では、薬師寺やシルクロードの現代的なイメージが東西の思想交流によってもたらされた内容であったことが明らかにされる。訳者との議論を通じて、どれほど数多くの思想が、東西の共同作業によって誕生しているのかを改めて学ぶことができた。この成果は 『読んで観て聴く 近代日本の仏教文化』法藏館 2024年3月に掲載されている。
③に関しては、「日本仏教の西洋世界への発信:仏耶一元論と真宗セオロジー」と題する論文を投稿した。本稿は、2024年の後期に出版予定の編著に掲載予定となっている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2023年度は、学会発表、論文翻訳、論文投稿を計画通りに進めることができた。また、翻訳の研究と実践を通じて、英文仏書は共通言語である英語を通して、アジアとヨーロッパの思想が重なる「場」であり、新たな仏教概念が生み出される翻訳の「場」でもある点を再認識することができた。さらに、近代仏教史学会への出席やシンポジウムへの参加を通して、関連分野の研究者との意見交換・情報収集を行うことができた。そのため、今年度の研究は、おおむね順調に進展していると考える。

Strategy for Future Research Activity

2024年度は、これまでの研究成果を総括するために、仏教モダニズムのなかの英文仏書という観点から分析を進める。とくに、これまでの研究によって明らかになった仏教概念、たとえば、「真如」「阿弥陀仏」「大乗仏教」という概念が、どのようにトランスナショナルに生成、展開したのかに注目する。ここで得られた成果を2024年度9月に龍谷大学で開催する国際真宗学会(International Association of Shin Buddhist Studies)にて発表予定である。

Causes of Carryover

昨年度に引き続き、今年度も新型コロナウイルス感染症の影響が残っており、当初の計画通り図書館等での資料収集・出張を伴った調査ができず、参加予定であった学会や研究会もオンライン開催が相次ぎ、旅費や参加費の支出がなかった。そのため、計画よりも支出が少なくなった。今後、国際シンポジウムの開催が不可能と判断される場合にはオンライン開催へと切り替え、会議内容の報告書の作成や追加資料の購入などに経費に充当したい。

  • Research Products

    (3 results)

All 2024 2023

All Journal Article (1 results) Presentation (1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 「真宗学のゆくえーその将来の可能性を展望する」2024

    • Author(s)
      デビッド松本/嵩宣也訳
    • Journal Title

      真宗学

      Volume: 149・150 Pages: 23-41

  • [Presentation] Translating Modern Buddhism: Reception and Transmission through “Prayer”2023

    • Author(s)
      嵩宣也
    • Organizer
      The Asian Studies Conference Japan (Panel: Translating Religion, the Nation, and Emotions in Modern Japan) at Sophia University
  • [Book] 読んで観て聴く 近代日本の仏教文化2024

    • Author(s)
      パリデ・ストルティーニ / 嵩宣也訳
    • Total Pages
      400
    • Publisher
      法藏館
    • ISBN
      9784831855848

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi