• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2023 Fiscal Year Research-status Report

ポピュラー文化を利用した「感情の政治」時代における市民的主体の可能性

Research Project

Project/Area Number 22K13014
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

渡部 宏樹  筑波大学, 人文社会系, 助教 (40834487)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
Keywordsポピュラー文化 / ファン研究 / 市民社会 / カルチュラル・スタディーズ / ポピュリズム / 映画
Outline of Annual Research Achievements

本研究プロジェクトに関連して、2023年度は査読論文を3本、査読なしの招待論文を1本、著書の分担執筆を1本発表することができた。特に、査読論文3本(「刺青に突き立てられる刃:『ゴールデンカムイ』 における皮膚上の記号作用とギャグの機能」、「一性と複製性:『ミュウツーの逆襲』(1998年)ならびに関連作品群における動物の形象としてのポケモン」、「恋闕へのまなざし : 『刀剣乱舞』と一九六〇年代三島由紀夫作品の比較研究」)については2022年度に発表した査読論文の中で展開したキャラクター研究の議論を応用し、それそれ漫画『ゴールデンカムイ』、映画『映画ポケットモンスター:ミュウツーの逆襲』、オンラインゲーム『刀剣乱舞-Online-』といった現代日本のポピュラー文化作品についてその表象の分析を行うことができた。こうしたポピュラー文化作品については文学研究・映画研究といった領域と比較して先行研究蓄積が少なく、キャラクター論という観点を持ち込んでトランスメディア的に議論を展開できたことは今後の研究に資するものであると言える。招待論文である「現代アメリカにおけるポピュラー文化と感情の政治:「悪さ」の取り扱いについて」では、現代のアメリカのポピュラー文化の系譜を追いかけながら、アメリカにおけるポピュラー文化と政治の関係を議論することができた。『メディア論の冒険者たち』の分担執筆項目では、ファン研究の第一人者であるヘンリー・ジェンキンズの仕事について「参加型文化」という観点からまとめ、日本の研究者にとってファン研究について学ぶ際の基礎文献となる仕事を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

2023年度については査読論文だけで3本の論考を発表することができた。これは2022年度に発表した査読論文の中で展開した理論的準備を具体的な作品分析として展開したもので、2022年度の研究活動内容に具体的にどのような発展性があるのかを査読論文という形で示すことができたと考える。査読論文3本以外にも招待論文や分担執筆として複数の論考を発表することができた。これらを総合的に考えると当初の計画以上に進展していると言っていいだろう。

Strategy for Future Research Activity

前述の通り、2023年度に大量に発表することができた論文は2022年度に発表した論文の理論的議論を具体的な作品に適用した成果である。まだ、この理論の応用可能性は残っているため、2024年度については2023年度同様に、作品分析を継続する予定である。その後2024年度後半からは、理論面の探究に戻り、2025年度以降、再び理論的な論文を発表できるようにする予定である。

Causes of Carryover

英語校閲で使い切りを予定していたが、割引を利用した結果、若干残金が生じた。今年度に使い切る予定。

  • Research Products

    (6 results)

All 2024 2023

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 3 results,  Open Access: 3 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 恋闕へのまなざし : 『刀剣乱舞』と一九六〇年代三島由紀夫作品の比較研究2024

    • Author(s)
      渡部宏樹
    • Journal Title

      日本研究

      Volume: 68 Pages: 75-97

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 一性と複製性:『ミュウツーの逆襲』(1998年)ならびに関連作品群における動物の形象としてのポケモン2024

    • Author(s)
      渡部宏樹
    • Journal Title

      国際日本研究

      Volume: 16 Pages: 1-26

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] 現代アメリカにおけるポピュラー文化と感情の政治:「悪さ」の取り扱いについて2024

    • Author(s)
      渡部宏樹
    • Journal Title

      立教アメリカンスタディーズ

      Volume: 46 Pages: 印刷中

    • Open Access
  • [Journal Article] 刺青に突き立てられる刃:『ゴールデンカムイ』 における皮膚上の記号作用とギャグの機能2023

    • Author(s)
      渡部宏樹
    • Journal Title

      表象

      Volume: 17 Pages: 168-187

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] アメリカのポピュラリティー再考2024

    • Author(s)
      渡部宏樹
    • Organizer
      立教大学アメリカ研究センターシンポジウム「ポピュラーカルチャーと政治」
    • Invited
  • [Book] メディア論の冒険者たち(うち「ヘンリー・ジェンキンズ)の項目2023

    • Author(s)
      渡部宏樹
    • Total Pages
      400
    • Publisher
      東京大学出版会
    • ISBN
      9784130502092

URL: 

Published: 2024-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi