2022 Fiscal Year Research-status Report
Creative Environment Responsible for Innovation and Succession of Regional Cultural Industry: Social Cooperation and Human Resource Development of Educational and Research Institutes
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22K13023
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| Research Institution | Doshisha University |
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Principal Investigator |
前田 厚子 同志社大学, 研究開発推進機構, 嘱託研究員 (50849049)
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| Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | 創造環境 / 工芸 / 人材育成 / 専門技術研究機関 / 美術館 / 工房（スタジオ） / 社会連携 / 国際化 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
生産要素の再配置によって生産から販売の過程を絶えず再構築する「柔軟な専門化」 (Piore & Sable,1984）が問われるクラフト的生産体制に、Florida(2002)がいう外部の創造階級が移住したい創造環境が加味される創造的工芸品クラスターとは、どのような人材と施設の再配置によって再構築されるのか？少子化やコロナ禍によって都市の活力や産業が衰退した今日ではあるが、地域の文化を国内外に発信できる美術館や芸術祭、見本市がツーリズム産業ほか創造的な文化産業が普及してきた社会背景もあり、それらを担える高度な担い手を育成できるインフラとシステムの整備について、比較事例を国外に拡張して共通点と相違点を模索した。
主な研究実績は、次世代の工芸家（創造的な作家・デザイナー・職人）を育成する専門技術研究機関（専門校）と美術館、工房（スタジオ）、国内外のステークホルダー、行政や地域社会との連携で構築されて従来とは異なる持続可能な創造環境の形成過程を、富山市の「ガラスのまちづくり」については国内外の学識者に広範な認知を、多治見市ほか国内有数の焼き物産地については「育成環境における現況と課題」を提起できた２点である。
最初に、富山市の「ガラスのまちづくり」政策に基づく新たな地域文化、文化産業、人材育成の創出とそれらの国際化を、下記の国際学会や海外大学の特別講義にて富山市と親交のある海外事例を関連づけて2度報告し、発表記録書（書籍）の1章に該当する原稿を投稿したことである。
次に、前年度に実施した工芸品の生産と消費及びその人材育成において先進的な4都市3地域における公立専門校の在籍生へのアンケート調査や1世代前の卒業生らのキャリアパス調査より、地域性と世代間を象徴する人的属性について所属学会で発表し、学会誌に投稿（現在審査中）したことである（科研研究19K23236を学会誌投稿より継承）。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
富山市の『ガラスのまちづくり』政策に基づく施設整備と人材育成に関して、ロールモデルである海外機関関係者の来日講演を拝聴し、国際学会で上記を報告する機会に恵まれたことと国内の現地調査が社会情勢より困難であったため、海外事例の文献調査を前倒しで優先した。新規情報を加筆した“Urban Policy and Securing Talent for an International Creative Environment: Glass City Toyama, Japan”を9月にはフローレンス大学と大阪公立大学共催の年次国際学会 ”The 2022 Rethinking Clusters Conference”でZOOMによるハイブリッド形式で30分発表した。現在、発表者で記録を書籍化しようと、英文の投稿原稿が審査中である。また、フローレンス大学年次特別講義"Economics and Management of Cultural Goods and Museums"に招待講師として3月に同詳細を英語、ZOOMによるハイブリッド形式にて２時間発表した。
他方、富山市、岐阜県、多治見市、京都府、京都市、石川県、金沢市の公立7校の焼き物とガラスを対象とする専門校在籍生へのアンケート調査と1世代前の卒業生らの経歴調査、各組織からの入手資料より、在籍生の属性を地域性と世代間を考慮して検証した論文を学会誌に投稿した（審査中）。また年２回予定の「地域文化産業の SDGs を担う創造環境」研究会は社会情勢により１回となったが、「三井八郎右衞門（高棟）がこだわった建築と工芸、その保存と活用」を、三井八郎右衞門氏を講師、所属センター主催、三井記念美術館でZOOMを併用して主宰した。
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| Strategy for Future Research Activity |
5.と 7.で前述した投稿中の論文等が掲載、出版に至るまでの校正、および瀬戸市界隈における愛知県立芸術大学,瀬戸市新世紀工芸館（陶磁器とガラス分野の新進作家支援工房と市民講座）,愛知県陶磁美術館に関連する育成環境のフィールドワークを開始する。他方、調査し始めたガラス造形の海外事例への国内で可能な調査と、これまでの富山市、金沢市、京都市、多治見市を代表する文化資源である工芸家が集積する教育研究機関、芸術祭や展覧会などのフィールドワークは、地域が異なる複数事例を時系列でデータを分析するために、予定の頻度で次年度も調査を継続する。また2022年度の秋以降は、オミクロン株の感染が拡大したため、自身が主宰する2022年度研究会「地域文化産業の SDGs を担う創造環境」２回目が実施できなかったので、2023年度は、5月以降より年度内に2度主宰したい。
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| Causes of Carryover |
オミクロン株の感染拡大により、連泊出張を予定していた研究会はZoomによるオンライン参加に変更したり、遠方への出張を伴うフィールドワークが予定通り実施できなかったのが理由である。次年度は、本年度に予定していた研究会およびフィールドワークに関する出張も実施する予定となり、主に出張費として使用する計画である。
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