2023 Fiscal Year Annual Research Report
Preliminary Research on Adaptations of Murakami Haruki's Works in the Japanese Cinema of the Post-Studio Era
Project/Area Number |
22K13025
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
藤城 孝輔 岡山理科大学, 教育学部, 講師 (20887624)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 村上春樹 / 日本映画 / 小説 / 文学 / アダプテーション / 映像 / 1980年代 / 自主映画 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2022年度に口頭発表を行った『ドライブ・マイ・カー』(濱口竜介監督、2021年)と『森の向う側』(野村惠一監督、1988年)についてまとめた論文が、それぞれ編著書『「ドライブ・マイ・カー」論』(佐藤元状/冨塚亮平編、慶應義塾大学出版会)と『村上春樹における紐帯』(曾秋桂編、中村三春監修、淡江大學出版中心)に収録されて刊行された。 国際学会への参加としては、2023年6月に台湾の淡江大學で開催された第12回村上春樹国際シンポジウムにおいて『ノルウェイの森』(トラン・アン・ユン監督、2010年)について口頭発表を行った。国内でも、『風の歌を聴け』(大森一樹監督、1981年)について村上春樹とアダプテーション研究会で口頭発表し、日本映画学会では「パン屋襲撃」「パン屋再襲撃」「4 月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」のアダプテーションの系譜について口頭発表を行った。 以上の研究のうち、『風の歌を聴け』に関するものは名古屋大学の査読つき紀要『JunCture 超域的日本文化研究』15号、「パン屋」および「4月」に関する関するものは『村上春樹とアダプテーション研究』2号にそれぞれ掲載された。また、『ノルウェイの森』に関するものは、2024年6月に台湾で刊行予定の村上春樹研究叢書『村上春樹における擬態』(淡江大学出版中心)に査読を経て収録されることが決定している。 2年間の研究期間全体を通して、1980年代以降に村上春樹の小説を原作とする主要な映画化作品をほぼすべて網羅する研究を行い、それぞれの作品の日本映画史およびグローバルな文化史における意義を確認することができた。本研究成果は現在、出版社から企画出版としての承認を受けて単著として刊行されることが決定している。
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