2022 Fiscal Year Research-status Report
The reception of South European Literature in the Japanese children's magazine Akai Tori.
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22K13037
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 基礎研究 / 海外調査 / 矛盾発見 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在までの研究実績は以下の通りである。 (1)基礎研究を行った。詳しく述べると、先行研究を精読し、「赤い鳥」に掲載された外国人作家を整理し、本科研費のテーマである、南ヨーロッパ文学と関係のある作品を徹底的に絞った。この基礎研究を行うことによって、「赤い鳥」における外国人作家の全体像を把握することができ、先行研究に様々な矛盾があることを発見した。 (2)海外の3つの大学から協力を得て、「赤い鳥」を中心に、1ヶ月のオンラインPBLセミナーを開催した。週に1回(各回2時間)Zoomで様々な国籍の学生を集め、「赤い鳥」の作品を皆で読みながら、ディスカッションし、最終発表を行った。 (3)ポルトガルの国立図書館において調査を行い、資料を集めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「赤い鳥」の外国作家を研究対象にすることによって、以下の難点が克服しにくく、予想外に時間がかかっている。 (1)作家が確定できない場合がある。 (2)再話の典拠が明示されないことによって、確定し難い。 (3)編集者によって再話アレンジ方法が異なるため、まとまりがない。
それにも関わらず、本研究のテーマである南ヨーロッパ文学と関係がある作家および作品をおおよそ確定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策は以下の通りである。 (1)5月末に国際学会において「赤い鳥」における外国人作家に関する研究成果を発表する。(2)6月に国際学会において、エキゾチシズムの視点から分析した「赤い鳥」の南ヨーロッパ関係の数作品の研究成果を発表する。(3)南ヨーロッパ文学の作品の精読及び分析を続ける。(4)今年の2月から始まった「赤い鳥」関係の新しいプロジェクトを展開する。このプロジェクトは、「赤い鳥」の童話をスペイン語圏の国々で紹介するものである。最終的に、本を出版する予定。「赤い鳥」の6話をスペイン語に翻訳し、「赤い鳥」に関しての総合解説、日本出身のイラストレーターがデザインしていただく挿絵も加える。(5)イタリアの国立図書館で調査を行う。(6)今年末に研究成果をまとめた論文を掲載する。
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Causes of Carryover |
現在までの研究成果を2つの国際学会で発表する予定があるので、国内外の交通費及び宿泊代が必要となる。また、本研究のテーマである「赤い鳥」における南ヨーロッパ文学の受容をより正確に理解するために、国内(東京の子ども図書館、名古屋の新美南吉記念館など)とイタリアの国立図書館で調査を行う予定がある。その際の交通費、宿泊代も必要となる。最後はスペイン語圏の国々で紹介する「赤い鳥」の本プロジェクトから生じる出費である。例を挙げると、もう一人の翻訳者と翻訳を比較する時の交通費などがある
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