• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

2022 Fiscal Year Research-status Report

ゾラ・ニール・ハーストンの「民衆劇」における黒人表象と普遍性との関連

Research Project

Project/Area Number 22K13085
Research InstitutionHiroshima Shudo University

Principal Investigator

光森 幸子  広島修道大学, 人間環境学部, 講師 (00906969)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2026-03-31
KeywordsColorism / Women's bond / Gender equality / Self-respect / Women's liberation
Outline of Annual Research Achievements

①まず、2022年9月日本ウィリアム・フォークナー協会第25回全国大会において、「ハーストン戯曲における黒人女性の自律 ―初期劇『カラー・ストラック』の考察―」という論題で口頭発表を行い、その後この発表をもとに、論文「カラリズムを越えるハーストンの黒人表象 ―戯曲『カラー・ストラック』における黒人女性の自律」を仕上げ、雑誌『フォークナー』25号に掲載された。
<①の論文概要> 劇作家としてのゾラ・ニール・ハーストンはあまり知られていないが、本稿ではそのなかでも比較的論じられている『カラー・ストラック』に注目した。まず批評家デイヴィド・クラズナーの、グレート・マイグレーションをもとにした作品解釈を検討したうえで、黒人女性エマの痛みに着目し、カラリズムが黒人女性に与える有害な影響を考察した。そして、ハーストンの評論、「黒人表現の特徴」から、彼女が最後のエマの姿に託した黒人表象を明らかにした。
②次に、2022年12月中・四国アメリカ文学会冬季大会において、「カラリズムに抵抗するハーストン ――戯曲『ポーク・カウンティ』における三種の黒人女性表象から」という論題で口頭発表を行い、この発表をもとに、同題目の論文を完成させた。『中・四国アメリカ文学研究』第59号に掲載される予定である。
<②の論文概要> 『ポーク・カウンティ』は1944年に版権を得たハーストン最後の戯曲である。ミュージカル喜劇ではあるが、アメリカの社会問題であるカラリズムが取り上げられている。ハーストンは、肌の色の異なる三人の黒人女性を同カウンティの製材所に配置し、最初の戯曲『カラー・ストラック』でも取り上げたカラリズムにいっそう切り込んでいる。本稿ではまず、これらの女性が表象するカラリズムの影響と、それに対する対応を順に考察し、そのうえで、ハーストンが多角的視点からカラリズムに抵抗していたことを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定では、ハーストンの戯曲を、<黒人民話>に関連するもの、<黒人の宗教>に関連するもの、<黒人のコミュニティ>に関連するものの三つのテーマに整理し、この順に検討する予定であった。しかし、黒人のコミュニティに関するものに、ハーストン戯曲全ての根幹となる重要な思想的特徴が現れていることに気付いた。したがって、まず最初の2022年度は<黒人のコミュニティ>に主題を取った戯曲について論じた。以後、2023年度は、<黒人民話>の要素を含む戯曲について、2024年度は、<黒人の宗教>に関わる戯曲について、2025年は、テーマ全体を見通し、ハーストン戯曲全体における黒人表象をハーレム・ルネサンスの演劇文化の中に位置づけ、現代劇にも繋がる普遍性を導き出す予定である。

Strategy for Future Research Activity

2023年10月21日、アメリカ文学会全国大会において、「Hurstonのフォークロアと女性の解放――戯曲 The Fiery Chariot と Polk County における “High John” の役割変化から」を口頭で発表する予定である。これは、<黒人民話>の要素を含む戯曲について検討する2023年度の予定に、きちんと沿ったものである。
なおハーストンの黒人民話を主題にした劇には、動物が多く登場することから、ハーストン戯曲における動物の表象についても考察を深める予定である。

Causes of Carryover

2022年度は、コロナ禍であったため、海外出張や国内出張が全くできなかった。国内での学会は全てオンラインでの開催であった。
2023年度は、10月21日に札幌学院大学で開催されるアメリカ文学会全国大会において、「Hurstonのフォークロアと女性の解放――戯曲 The Fiery Chariot と Polk County における “High John” の役割変化から」を発表するため、広島から出張予定である。また、3月には資料収集のため、海外出張を予定している。

  • Research Products

    (4 results)

All 2023 2022

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (2 results)

  • [Journal Article] カラリズムを越えるハーストンの黒人表象 ―戯曲『カラー・ストラック』における黒人女性の自律2023

    • Author(s)
      光森幸子
    • Journal Title

      『フォークナー』

      Volume: 25 Pages: 92頁、101頁

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] カラリズムに抵抗するハーストン ――戯曲『ポーク・カウンティ』における三種の黒人女性表象から2023

    • Author(s)
      光森幸子
    • Journal Title

      『中・四国アメリカ文学研究』

      Volume: 59 Pages: ー

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ハーストン戯曲における黒人女性の自律 ―初期劇『カラー・ストラック』の考察―2022

    • Author(s)
      光森幸子
    • Organizer
      日本ウィリアム・フォークナー協会第25回全国大会
  • [Presentation] カラリズムに抵抗するハーストン ――戯曲『ポーク・カウンティ』における三種の黒人女性表象から2022

    • Author(s)
      光森幸子
    • Organizer
      中・四国アメリカ文学会冬季大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi