2023 Fiscal Year Research-status Report
Research on How Realis and Irrealis are Verbalized in Taiwanese Mandarin
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22K13098
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
張 佩茹 東北大学, 文学研究科, 准教授 (00748931)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Keywords | 台湾華語 / 事態の既実現 / 否定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、台湾華語(台湾の公用語)を研究対象とし、事態の既実現と非実現の言語化に与る台湾華語の文法形式および文法構造の意味的・文法的特徴を明らかにするものである。台湾華語は、中国の標準語である普通話と多くの類似点をもちつつも、長い歳月を経て独自の変容を遂げてきた。そのうち、事態の既実現の言語化に関しては助動詞の“有”、事態の非実現の言語化には助動詞の“会”が最も研究の蓄積が多いテーマである。
2年目にあたる令和5年度は、事態の既実現の否定に用いられる副詞について考察をおこなった。現代中国語において、動作動詞の場合、已然の出来事の否定には通常“没有”が使われ、未然の出来事の否定には“不”が使われる。いっぽう、動作より状態に近い心理動詞や感覚動詞の否定には、已然の場合でも“不”が使われる。また、一部の動詞に関しては、已然の場合は普通話(中国の標準語)では“没有”も“不”も使用され、相互に置き換えが可能だと主張する先行研究がある。今年度の研究では、先行研究のその分析の妥当性を検討したうえで、台湾華語の使用状況をコーパスで調査した。調査の結果、書き言葉のデータを中心に収集されたコーパスにおいて、台湾華語の心理動詞は已然の場合でも“不”を用いて否定する傾向が強いことを明らかにした。
今年度は否定副詞の用法を中心に研究をしてきたが、普通話と比較することによって、台湾華語の特徴がより浮き彫りになったと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
台湾華語の否定表現について、研究ノートの形で論考を公表した。また、口頭発表も行い、今後の研究の推進に有益な意見を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点では書き言葉が中心のコーパスを利用して研究しているが、今後は調査範囲を広げ、話し言葉のデータを取り入れる予定。
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Causes of Carryover |
書籍の購入費用が計画当時より少なく済んだためである。次年度は関連図書や資料の拡充に使用する予定。
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