2022 Fiscal Year Research-status Report
ルクセンブルク語における名詞類の記述ー西中部ドイツ語研究への足掛かりとしてー
Project/Area Number |
22K13101
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
西出 佳代 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (90733311)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
|
Keywords | ルクセンブルク語 / 名詞類 / 記述言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、研究代表者が博士後期課程から取り組んでいるルクセンブルク語の文法記述の最終段階にあたるもので、同言語の名詞類の体系的な記述を目指すものである。この研究は、すでに同言語の音韻記述と動詞類の記述を終えた段階にあり、この度の名詞類の記述 をもって一通りの文法記述を終える予定である。本研究は、多くの先行研究のように目新しい個別現象を単発的・表層的に示すのではなく、西中部ドイツ語の一変種を総体として提示するものであるこ と、それによってドイツ語研究やゲルマン語研究のさらなる発展に寄与することを目指すものである。 2022年度は本研究課題の初年度であり、ルクセンブルク語において (i) 主格と対格が同形式となること(格の融合)とその語順への影響、及び (ii) 属格の代わりに用いられる二つの所有表現(与格支配前置詞 lux. vun (nhg. von)を用いた表現といわゆる「所有の与格」)の使い分けについて調査・分析する予定であった。しかしながら、2022年3月に体調を崩し、その治療環境を整えるためにかなりの時間を要した。そのため、本年度は上記 (i)、(ii) についての資料収集をするのみに留めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年3月に発症した疾病のため。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在、まだ治療の見通しは立てられていない。治療の進行や体力回復の度合いに応じて、範囲を縮小することも念頭におきながら課題を進めることとする。 2023年度は、上記(i)、(ii)のテーマについての資料の精読を進めつつ、当初計画していた(iii)3人称単数女性における親称/敬称の使い分けについての資料を収集することとする。病状が悪化しない範囲で、可能であればメール等を用いた母語話者への調査を行うなど、一次データの収集も視野に入れて検討する。
|
Causes of Carryover |
疾病のため、学会発表や現地調査用として設定していた旅費の予算を使用することができなかった。病状の回復を待って、予算を再検討することとする。
|