2022 Fiscal Year Research-status Report
中国語における時間詞と助動詞の位置決定に関わる規則の解明
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22K13110
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Research Institution | Japan Coast Guard Academy (Center for Research in International Marine Policy) |
Principal Investigator |
相原 まり子 海上保安大学校(国際海洋政策研究センター), 国際海洋政策研究センター, 准教授 (40885993)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 中国語 / 情報構造 / 焦点 / 主題 / 時間詞 / 助動詞 / 語順 |
Outline of Annual Research Achievements |
中国語においては、一つの文に時間詞(“明天”などの時間を表す名詞)と助動詞が含まれる場合、時間詞は「主語の前」、「主語の後・助動詞の前」、「助動詞の後」のいずれかに入る。本研究は、中国語における時間詞と助動詞の位置決定に関わる規則を解明することを目的として「情報構造」と「使われている助動詞」が時間詞と助動詞の位置関係に与える影響を分析し、さらに、語順を決める他の要因を探るものである。初年度である令和4年度は、主語の前に時間詞が置かれた文(時間詞+主語+助動詞+動詞句)を取り上げ、以下の(1)から(3)の問題を明らかにするための調査を計画し、調査票を作成した。 (1)これまで筆者が行ってきた研究から、主語の前に置かれた時間詞は文の主題であることが多いものの、時間詞が条件節的な役割を果たす時には文の焦点にもなり得ることがわかったが、主語の前の時間詞は、条件節的な役割を担う時以外にも文の焦点になり得るのか?(2)主語の前の時間詞が焦点になれるのは、どのような助動詞が使われた時なのか?(3)多義的な助動詞が使われた場合、助動詞の意味が時間詞の担う情報構造上の役割(焦点、主題)にどのような影響を与えるのか? 令和4年度は、途中から産前産後休業と育児休業を取得し、研究を中断している。研究再開後は、最初に、上述の調査を実施し、その後、時間詞が主語と助動詞の間に置かれた文及び時間詞が助動詞の後ろに置かれた文についても調査を行い、研究を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
産前産後休業・育児休業の取得。
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Strategy for Future Research Activity |
研究再開後は、以下の計画にしたがって研究を進める予定である。 1年目:質問紙調査及びインタビュー調査を実施する 2年目:「情報構造」と「用いられている助動詞」の両面から、1年目に実施した調査の結果を分析する 3年目:2年目に行った分析の結果をコーパス調査や追加のインタビュー調査によって検証・修正し、「情報構造」と「用いられている助動詞」から導き出せる「時間詞と助動詞の位置決定に関する規則」を過不足なく記述し、既存の文法理論への貢献の可能性を探る。 4年目:「情報構造」と「用いられている助動詞」以外の要素が語順に与える影響を明らかにする。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:妊娠による在宅勤務、産前産後休業及び育児休業の取得 使用計画:研究再開の初年度に、令和4年度に使用する予定だった金額を使用する。
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