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2022 Fiscal Year Research-status Report

空範疇の仮定によるドイツ語不定詞名詞化項構造の研究

Research Project

Project/Area Number 22K13111
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

小林 大志  東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 講師 (10880693)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2024-03-31
Keywordsドイツ語 / 名詞化 / 空範疇 / 不定詞 / 名詞性と動詞性
Outline of Annual Research Achievements

ドイツ語の不定詞名詞化と他の種別の名詞化の文法的性質の相違を探ることを目的として,ベルリン・ブランデンブルク科学アカデミーが公開しているDWDS(ドイツ語デジタル辞典)のオンラインプラットフォーム上で検索可能なメタコーパスである「参照・新聞コーパス」から収集・構築したドイツ語の不定詞名詞化と派生名詞化のデータの比較を行った。これにより,ドイツ語における不定詞名詞化と派生名詞化という名詞化種別の違いが,名詞の後ろに置かれる通常の属格(Befragung des Kanzlers)と異なり名詞の前に置かれる前置属格(Scholz’ Befragung)の解釈と,密接に関係していることが明らかとなった。
現代ドイツ語では,前置属格として生起する語はもっぱら固有名詞に限定されている。前述のコーパスは品詞検索の可能なタグ付け処理をなされているため,これを利用した不定詞名詞化および派生名詞化と固有名詞の共起データの収集を実施した。加えて,ドイツ語において前置属格と相補的分布をなす所有冠詞についても同様の共起データを収集した。
新たに収集したデータを精査したところ,不定詞名詞化の項構造に空範疇と関係付けられる主語的項を仮定する本研究の基盤的アイデアを支持する結果が得られたため,この成果を論文として発表する準備を行った。また,同データからは同一動詞が他動詞形と自動詞・再帰動詞形で用いられるいわゆる使役交替に関わる動詞の名詞化の分布も,不定詞名詞化が空範疇として実現する主語を持つことを示唆している可能性が示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

日程調整上の理由から,当初発表を予定していた日本独文学会語学ゼミナールへの参加を断念した。このため,論文の準備に遅れが生じた。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究の過程で,同一動詞が他動詞形と自動詞・再帰動詞形で用いられるいわゆる使役交替に関わる動詞の名詞化の分布に注目することの有効性が示唆されたため,使役交替と名詞化の関係に着目してデータの精査を行う。

Causes of Carryover

日程調整上の理由から当初発表を予定していた日本独文学会語学ゼミナールへの参加を断念したこと,および日本独文学会秋季大会ならびに日本言語学会秋季大会がオンライン開催となったことから,計画していた旅費の使用がなかったため。当該助成金については本年度の学会参加において旅費として使用する。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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