2022 Fiscal Year Research-status Report
スピーキング能力向上に最適な学習スケジュールの特定:全体練習と部分練習の効果
Project/Area Number |
22K13166
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
半沢 蛍子 東京理科大学, 教養教育研究院野田キャンパス教養部, 講師 (20755772)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 繰り返し練習 / 練習(学習)スケジュール / 全体練習 / 部分練習 / 発話生成モデル / 発話流暢性 |
Outline of Annual Research Achievements |
日常的に英語に触れる機会の少ない日本において、英語を用いてスピーキング活動を行えるのは授業時間内に限られている。そのため、限られた授業時間の中でどうすれば効果的にスピーキング能力を上げられるかは重要な教育的な問題である。この問題に対処する一つの方策として、効果的な練習スケジュールの解明に近年注目が集まっている。練習スケジュールには分散学習や拡張分散学習、均等分散学習、縮小分散学習などが存在するが、本研究では「全体練習」と「部分練習」に焦点を当てる。「全体練習」と「部分練習」を対象とした先行研究では、語彙学習においては「全体練習」の方が「部分学習」より効果があることが示されている。しかし、この結果をそのまま第二言語のスピーキング能力に応用できない。なぜならば、L2スピーキング活動を全体練習で行うと、試行と試行の間が長すぎるために、試行を繰り返しても前の試行で行った際に内容を思い出せず、その効果がなくなってしまうと考えられるからだ。逆に、部分練習を行うことで、同じ内容を繰り返すまでの間が短くなり、2回目以降の繰り返しにおいて記憶の強化が促されると考えられる。そこで本研究では「全体練習」と「部分練習」の効果を比較し、部分 練習が全体練習より効果的であると示すことを目的としている。 スピーキング能力を対象として練習スケジュールを扱った研究はまだ少ない。そのため、2022年度には、練習スケジュール研究の基礎となる繰り返し練習研究に焦点を当て、スコーピングレビュー研究を行った。スコーピングレビュー研究を行うことで、繰り返し練習に対する既存の知見を体系的、かつ網羅的にマッピングすることができる。調査では82本の先行研究をコーディングし、研究の目的や繰り返しの回数、実施方法などを整理した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年度後期にアキレス腱断裂のため入院、リハビリを行った。その影響で研究自体を進めることができず、実験デザインの計画・立案を行うことができなかった。このため研究計画とスケジュールを大幅に見直すことになり、研究実施計画では2022年度前半で実施する予定だった文献研究を大幅に拡張させ、スコーピングレビュー研究として進めることとした。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度はまずスコーピングレビュー研究を進め、分析結果を論文にまとめていく。その後、実験デザインの計画・立案を再度行い、予備実験を進めていく。
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Causes of Carryover |
2022年度後期にアキレス腱断裂のため入院、リハビリを行った。その影響で研究自体を進めることができず、実験デザインの計画・立案を行うことができなかった。そのため、予算を次年度に繰り越すこととした。2023年度はスコーピングレビュー研究を進め、分析結果を論文にまとめていく。その後、実験デザインの計画・立案を再度行い、予備実験を進めていく。予備実験を実施するにあたって、レコーダーなどの物品を購入するため、予算を計上する。また実験で得られたデータのアノテーションや分析をアルバイトを雇用して進めていく。このアルバイト雇用に予算を計上する予定である。
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