2022 Fiscal Year Research-status Report
瀬戸内地域の海岸における海洋プラスチックの集積特性に対する地理学研究
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22K13248
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
芝田 篤紀 奈良大学, 文学部, 講師 (60893609)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 海ごみ / 海岸漂着物 / 微地形 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は研究計画の通り、兵庫県の淡路島と香川県の小豆島において、海ごみの漂着・集積状況を確認する現地調査を実施した。同じ島の中でも、海岸の場所や規模によって、海ごみの漂着・集積状況は様々であり、今後の現地調査選定の参考になる有益な予察調査となった。 当該年度の最後には、「UAV画像を用いた海岸漂着物と微地形の関係における一考察」という論文を発表した。当論文の目的は、UAVによって撮影した画像を用いて、海岸内での漂着物の位置と、微地形の関係を明らかにすることである。結果として、当論文内の調査対象地域の礫浜における海岸漂着物の分布と、砂浜における海岸漂着物の分布が明らかになった。またドローン画像を用いた海岸地形の数値表層モデル(DSM)の作成によって、各地点の数㎜から数㎝レベルの高低差と微地形が確認できた。以上から、礫浜特有の漂着とその漂着物の関係、砂浜の漂着物と微地形の関係について考察された。加えて、同じ海岸内での漂着物の差異についても検討された。 海岸漂着物に関しては、海岸全体の位置や形、風、波の影響を強く受けていることは知られている。一方で、それらの結果が今回の漂着状況と微地形の関係という結果に反映されている側面もある。当該論考をこれからの研究に向けての足掛かりとして、今後は、研究計画に沿って調査地を広げていき、またさらに具体的に、海岸の位置や形、人間活動(ポイ捨てや掃除など)の調査なども進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り、現地調査を実施できたことに加え、足掛かりとなる成果をまとめられたため。
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Strategy for Future Research Activity |
海岸漂着物の中でもプラスチックごみに焦点を絞っていき、その分布と特徴について、海岸微地形や海浜植生との関係から明らかにすることで、本研究課題を推進していく。
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Causes of Carryover |
今年度ソフトウェア関係の使用について、無料期間での実施が可能であったため、次年度に購入を予定している。
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